マイク・コンリー

ベテラン司令塔の優位を生かすか、弱点を突くか

マーベリックスとティンバーウルブズのカンファレンスファイナル第2戦は、前半はウルブズが最大18点リードを奪ったものの、後半になってじわじわと追い上げたマブスが、最後はルカ・ドンチッチの劇的なゲームウィナーで制しました。前半と後半で別の試合になったのはマイク・コンリーを巡る攻防が大きかったと言えます。

マブスのディフェンスはアンソニー・エドワーズに対して徹底したカバーリングを用意する以外は、ハンドラーへの強いプレッシャーはかけず、インサイドへのパスコースを封じ込めることを優先しました。ウルブズのビッグマンにイージーショットをさせない守り方は機能しましたが、そこで光ったのがコンリーの判断力でした。

ドライブからゴール下へのパスと見せてフローターを決めれば、ツーメンゲームからインサイドへのパスを警戒されれば迷うことなくプルアップ3ポイントシュートを射貫きます。ベテランポイントガードらしいディフェンスの逆を取る判断はマブスを大いに困らせ、ウルブズにリードをもたらしました。

それでもマブスは後半になると面白い対処をしてきます。コンリーへの警戒を強めるかと思いきや、むしろボールを持たせながらもドライブコースを封じ込め、3ポイントシュートへと誘導するような守り方をしてきました。そしてオープンでの3ポイントシュートを打つところで、ビッグマンのダニエル・ギャフォードやデリック・ライブリー三世が手を伸ばしてプレッシャーをかけることでミスショットを促しました。

また、それ以上に象徴的だったのはコンリーのサイズを狙ったオフェンスでした。広くスペースを取った中でコンリーにマークされた選手がゴール下でポジションを取ってミスマッチを使って得点を奪っていったのです。通常はガード相手のディフェンスとなるコンリーですが、ドンチッチとカイリー・アービングを守るのは難しく、必然的に自分より大きいウイングとのマッチアップになります。ここを狙われると苦しいものがあり、この試合ではウルブズで最も悪いディフェンスレーティングを記録してしまいました。

マブスの戦略的なディフェンスを攻略する上でコンリーの判断力は欠かせない武器ですが、同時にマブスのオフェンスにとっては攻略しやすいマッチアップとなります。コンリーを巡る攻防は第3戦以降もキーポイントになってきそうです。