原修太

「焦ることはないです。さっきロッカールームでタコスを食べて気分転換をしました」

千葉ジェッツは琉球ゴールデンキングスとのチャンピオンシップ(CS)セミファイナル第2戦に63-81で敗れ、95-62で快勝した初戦に続いての連勝はならず、シリーズは明日の第3戦にもつれ込んだ。

18日の初戦は、千葉Jが序盤から平面での激しいディフェンスで琉球オフェンスのリズムを崩すと、そこから持ち味のトランジションへと持ち込み、各選手がオープンのシュートを高確率で決め切ることで圧倒した。しかし、第2戦に関しては、逆に琉球の激しいディフェンスに後手に回ってしまい、その結果オフェンスのテンポが上がらず、さらにリバウンドで圧倒されたことで最後まで本来のバスケットができなかった。

ジョン・パトリックヘッドコーチはハードワークで琉球に対抗できなかったことが敗因となったと言う。「今日は最初から琉球の方が一生懸命プレーしていました。ウチはちょっとリラックスしすぎました。1戦目に勝って2戦目に負けるのはもったいないと思いますが。琉球の方が勝利に値するプレーを見せました」

中心メンバーの1人である原修太は、5リバウンドを挙げるなど強靭なフィジカルを生かした持ち前のディフェンスで奮闘した。しかしオフェンス面ではフィールドゴール試投数が2本のみに終わるなど、なかなかボールに絡むことができずに2得点と、本来の力を発揮できなかった。

「本当に、正直勝ちたかったですが、琉球さんが強くて、やりたいバスケットをやらせてしまった結果だと思います。火曜日に向けていろいろと対策をして臨みたいです」

このように総括した原は、試合直後だったがすでに第3戦に向けて気持ちを切り替えていた。「反省しないといけないところはたくさんありますが、焦ることはないです。さっきロッカールームでタコスを食べて気分転換をしました」

原修太

「何回も戦うことでお互いを高め合う、ライバル的存在のチームは少ないです」

運命を分ける第3戦となれば、リーグ随一の熱狂度を誇る沖縄アリーナはこれまで以上に試合開始から大きな盛り上がりとなることは間違いない。琉球にこれまで以上のホームコートアドバンテージが生まれるが、原には「僕自身はむしろ、こういう環境は楽しいです」と語るたくましさがある。

CSクォーターファイナルでは、琉球と同等の熱狂的なファンが集い、完全アウェーの状況で宇都宮ブレックスを乗り越えてきたが「アウェーがどうこうよりも、宇都宮さんとの試合と同じで、バスケットでこんなに盛り上がっていることがうれしいですし、楽しさの方が勝っています」と原は言う。

千葉Jのライバルと言えば、リーグ初年度から同じ東地区で戦ってきた宇都宮のイメージが強いかもしれないが、琉球ともビッグゲームを何度も戦ってきた。昨シーズン終了時点でCSセミファイナルで2度、ファイナルで1度、天皇杯決勝で2度対戦し、千葉Jは昨シーズンのファイナルを除く4度の対決を全てを制している。そのため、相性の良さを感じてもおかしくないが、原に自分たちが優位という思いはない。「昨シーズン、自信があった中で迎えたファイナルで2連敗した分をやり返したい気持ちで今年は臨んでいます」と言い、好敵手の存在に感謝している。

「琉球さんに宇都宮さんと、長年に渡って何回も戦うことでお互いを高め合うライバル的存在のチームは少ないです。だからこそ、ありがたいというか、やっていて楽しいです。正直、船橋アリーナで戦いたかったですが、沖縄アリーナもすごいモチベーションが上がる会場です。素晴らしいアリーナで、素晴らしい試合ができていることは幸せです」

Bリーグ誕生から何度もCSの緊迫した場面を経験していた原に気負いはない。明日の第3戦、チーム全体が原のようなメンタリティで落ち着いてプレーできるかは、勝敗を分ける大きな要素になってくるはずだ。