今シーズンは、24勝36敗の中地区6位に終わり、チャンピオンシップ出場を逃す

横浜ビー・コルセアーズは、6月30日をもって青木勇人ヘッドコーチとの契約が満了となり、退団することを発表した。

神奈川県出身、現在50歳の青木氏は、bjリーグ時代の2011-12シーズンからの2シーズンを横浜BCでプレーし、2012-13シーズンにはクラブのbjリーグ優勝に貢献した。2013年に現役を引退し、その後は横浜BCのアシスタントコーチに就任して2015-16シーズンからヘッドコーチに昇格。しかし、Bリーグ初年度の2016-17シーズンの途中でヘッドコーチを退任し、その後は新潟アルビレックスBBのアソシエイトコーチを経験した。2021-22シーズンに古巣である横浜BCに復帰し、昨シーズンは、チームを初のチャンピオンシップ出場に導いた。3年目となる今シーズンは、24勝36敗の中地区6位に終わり、チャンピオンシップ出場を逃した。

3シーズンにわたって、クラブの指揮を執った青木氏は以下のようにコメントしている。

「スピード、アグレッシブさを持って、フィジカルに戦う。皆、自分の仕事に対してプライドを持って遂行し、チームメートを尊重し、心を込めてハードワークする。昨シーズンのB.LEAGUEチャンピオンシップセミファイナル進出、天皇杯ベスト4という成績は、その自分たちのスタイルを確立できたところが大きかったと思います。そして、多くの期待を寄せられた中で始まった今シーズン、チームやスタイルを継続しブラッシュアップする難しさや、試行錯誤の中も安定して目指している自分たちのスタイルを表現するのに苦しむなど、多くのことを学ばされたシーズンとなりました。この3年間、選手たちはチャレンジを繰り返しました。失敗しても前を向き、立ち上がって成長していくその姿は本当に誇らしく思いました。また、どのような状況でも明るく、お互いを助け合いながら、チームを支えたGM、コーチ陣、チームスタッフは自慢の仕事仲間でした。ビーコルで仕事ができたことを誇りに思います。最後に、今回チームを離れることとなりましたが、選手、コーチとして長く過ごしたビーコルは私にとってずっとホームです。ビーコルがますます魅力あるチームに発展することを心より祈念しております」

竹田謙GMは青木ヘッドコーチに対して「青木ヘッドコーチが就任した3年前は、現在よりもすべてにおいて環境が整わない中でしたが、クラブの事情を最大限考慮していただき、制約の多い中でもチームがより良くなるために多くの犠牲を払って、チームの強化に努めていただきました。また、クラブ、ファン・ブースターの皆さま、横浜という街、選手・スタッフに対して深い愛を持ち、常に全てを包み込むような寛大さで人と接する姿は非常に印象的でした。今季は私の編成面での反省も多いシーズンとなりましたが、その中でも最後まで最適解を見つけ出しながらビーコルらしさを追求し続けた姿に、改めて感謝しております」とコメントした。

また、青木ヘッドコーチ、竹田GMと三人四脚で歩んできた白井英介代表取締役は、以下のようにコメントしている。

「この3シーズン、クラブとしても非常に大きな変化を経験した期間でした。チームの成績の浮沈のみならず、経営体制の変更や事業規模の変化、それに伴って練習環境、アリーナをはじめ、大小含めて様々な変化がありました。そうしたすべての変化や制約を受け入れ、経営との対話を続けながら常に他責にせず、自分とチームにベクトルを向けて取り組み続けていただいた青木ヘッドコーチのおかげで、今日のビーコルがあることは言うまでもありません。クラブが掲げる『発掘』と『育成』というコンセプトに誰よりも強いこだわりを持ち、3シーズンを通じて様々な若い選手たちが彼の起用によって出場機会を掴み、結果を出し、また巣立っていきました。クラブにとって、青木ヘッドコーチが作った文化は今後長い期間で選手たちが入れ替わったとしても残り続けていきます」