「小さなことの積み重ねが成功をもたらすんだ」
ニックスはペイサーズとのカンファレンスセミファイナル初戦に121-117と競り勝った。序盤から僅差で推移した試合は、残り1分14秒で115-115とペイサーズがリード。しかしニックスはジェイレン・ブランソンのアシストを受けたドンテ・ディビンチェンゾが値千金の3ポイントシュートを沈め、その後はニックスらしい身体を張った懸命のディフェンスで逃げ切った。
プレーオフに入って絶好調であるニックスのブランソンは、この試合でも43得点6リバウンド6アシストの大暴れだった。これでブランソンはNBA史上初となるプレーオフでの4試合連続40得点5アシスト以上の快挙を成し遂げた。また、4試合連続40得点も1993年のマイケル・ジョーダン以来となる史上4人目という素晴らしい記録だ。
このようにポストシーズンを戦うブランソンは、NBAの歴史に支配力を発揮している。だから、彼はいつもと同じスタンスで自身の記録に関心を示さず、「小さなことの積み重ねが成功をもたらすんだ」と、チーム全員が細部にまで妥協せずハードワークし続けることの大切さを強調する。
「40得点は素晴らしいよ。ただ、小さなことが試合の勝利の助けとなる。僕らは毎日このことだけを考えながら戦っているよ。だから僕は今のメンバーといられて幸せだよ」
さらにブランソンは「自分がどれだけ得点を取るとか、何本シュートを打つとかは気にしていない。僕は試合の展開を読みながらプレーしているだけだ。いつもそれが僕のマインドセットだ」と、司令塔としてチームを正しい方向に導くことに注力していると続ける。
これでブランソンは、ここまでのプレーオフ7試合で平均43.7分出場、36.6得点、8.6アシスト、4.7リバウンドとなった。本人は自身だけにスポットライトが集まるのを歓迎していないだろうが、今の彼は間違いなくニックスの絶対的なエース、そして全米一の大都市・ニューヨークの英雄となっている。