プレーオフで全3試合に先発などステップアップ「だいぶ自信はつきました」
3人制バスケットボール3×3のパリ五輪出場権を争う、FIBA3x3バスケットボールユニバーサリティオリンピック予選2が5月3日から5日にかけて宇都宮で開催される。参加8チームの内、パリへの切符が与えられるのは優勝チームのみと過酷な戦いとなるが、日本としてはホームコートアドバンテージを生かし、5月16日から19日にハンガリーで開催されるオリンピック予選を前になんとしても五輪行きを決めたいところだ。
大会に出場するのは登録メンバー6名の中から、前日に行われるテクニカルミーティングで承認された4名となる。この6名に入った1人が、ENEOSサンフラワーズの三田七南だ。3×3の代表活動に本格的に参加したのは昨年からだが、FIBA3x3 ワールドカップ2023など複数の国際大会で経験を積んでいる。
21歳の三田は今シーズン、ENEOSで大きな飛躍を果たした。179cmのサイズと機動力を生かした激しいディフェンスに加え、思い切りよく放つ3ポイントシュートにドライブと攻守でのアグレッシなプレーが光った。リーグ屈指の常勝チームにおいて、レギュラーシーズン23試合中11試合に先発。昭和学院高から加入し昨シーズンまでの2年間でリーグ戦の合計出場時間は76分だったが、今年は400分以上もコートに立った。そしてプレーオフでも3試合すべてに先発し、主力の一員として確固たる地位を確立した。
三田は「だいぶ自信はつきました」と手応えを語る。「昨シーズンに比べて試合に出る時間が大幅に増えました。スタートもやらせてもらい、(プレーオフや皇后杯と)プレッシャーのかかる環境で、トップクラスの相手とプレーできたことはすごく自信になりました」
そして、このステップアップには、3×3の経験も生かされていると明かす。「昨シーズン、試合に出ていない時も3人制の合宿や3人制の大会に出させてもらっていました。そこで海外のフィジカルの強い相手に対して磨いたドライブ、リバウンドなどが5人制に生きました。この経験のおかげ今シーズンはENEOSでもいっぱい試合に出られたと思います」
「試合中の声かけ、雰囲気作りも求められていることの一つだと思います」
また、常に勝利を求められるENEOSでシーズンを通して安定したプレータイムを得たことで、精神面でも大きく鍛えられたと続ける。「やっぱり、ENEOSという伝統のあるチームでスタートを任せられるのは特別なことだと思っています。だからこそ、精神的に不安になった時期もありました。ただ、それを乗り越えて自分のやることに自信がついたことで、精神的にもすごく強くなったと思います」
心身ともに確かな成長を遂げた三田は、3×3代表における自分の役割をこう考える。「まずはドライブと2ポイントです。そして試合中の声かけ、雰囲気作りも求められていることの一つだと思います。試合中、ドヨンとした空気よりも、『行くぞ、行くぞ!』みたいな感じの方が絶対にプラスになります。声を出すことは意識しています」
そして、五輪に対する思いを次のように語ってくれた。「1年前の私だったら想像はつかなかったですが、今は手に届く位置にあります。絶対にパリへの切符を取って前に進みたいと思っています」
登録メンバー6名の内、誰が試合に出るかはまだ分からない。ただ、ポジションレスかつコーチもいない3×3だからこそ、内と外の両方で勝負ができ、雰囲気作りでも力を発揮できる三田が大一番で輝きを放つ可能性は十分にある。