ジャマール・マレー

マローンHC「ジャマールは苦戦していたが、スポットライトが当たる場面から決して逃げない」

プレーオフファーストラウンド、ナゲッツはホームでレイカーズと対戦。後半早々に20点の大量ビハインドを負ったが、徐々に立て直して残り1分15秒に同点に追いつくと、ジャマール・マレーのブザービーターにより101-99と劇的な勝利を収めた。これでナゲッツはシリーズを2連勝としている。

試合は立ち上がりからレイカーズのペースで進み、前半だけでアンソニー・デイビスが24得点、ディアンジェロ・ラッセルが18得点を記録し、59-44でハーフタイムを迎える。後半に入ってもレイカーズの勢いは止まらず、第3クォーター開始2分にはオースティンリーブスの3ポイントシュートが決まり、68-48と点差を20の大台に乗せた。だが、ここからナゲッツは守備を立て直し、このクォーターの失点を20に抑えることで流れをつかむ。10点ビハインドまで追い上げて第4クォーターに突入すると、徐々に点差を縮め、残り1分15秒にマイケル・ポーターJr.の3ポイントシュートで遂に95-95と追いつく。

ここからレイカーズもレブロン・ジェームズのレイアップなどで応戦するが、残り16秒からジェームズが勝ち越しを狙って放ったジャンパーが外れてしまう。そして、リバウンドを取ったナゲッツは、マレーがスイッチによって生まれたデイビスとの1対1から、体勢を崩しながらもプルアップシュートを沈めて熱戦に終止符を打った。

マレーはゲームウィナーについてこう振り返る。「(シュートを放った後)バランスを崩して転んでしまった。AD(デイビス)か、他の誰かがシュートを防ぎにきていた。みんなが叫んでいたことで、シュートが入っていたことがわかったよ」

最後に千両役者ぶりを発揮したマレーだが、この試合全体ではフィールドゴール24本中9本成功と決してシュートタッチは良くなかった。それでも、第4クォーターに限れば8本中6本成功と抜群の勝負強さを発揮。この見事なカムバックは、チームメートの励ましが大きかったと感謝する。「シュートの調子が悪かった時、みんなにパスを出すと言ったんだ。そうしたら、チーム全員が僕に『シュートを打ち続けろ』と言ってくれた」

そして、マイケル・マローンヘッドコーチは、マレーへの絶大な信頼をこう語る。「あのプレーこそがジャマール・マレーだ。彼は苦戦していたが、スポットライトが当たる場面から決して逃げない。信じられないプレーだったね」

完全な負けパターンのゲームを見事にひっくり返したナゲッツは、これでシリーズの主導権を完全に握った。このまま一気に昨シーズンのカンファレンス決勝と同じスイープに王手をかけるのか、それともレイカーズが意地を見せるのか。第3戦は日本時間26日の午前11時ティップオフ予定だ。