ジャレット・アレン

ゴベアは退場、審判を侮辱する仕草で物議を醸す

キャバリアーズの先発センターを務めるジャレット・アレンは、現地3月8日のティンバーウルブズ戦でキャリア最高のパフォーマンスを見せた。両チームとも第4クォーターまで100点を超えないロースコアながらリードチェンジ19回という試合展開で、インサイドの攻防は極めてフィジカルなものに。ここでアレンはオーバータイムを含む46分のプレーで33得点18リバウンド3アシスト2スティール2ブロックを記録。ほとんどの時間、彼がマッチアップしていたのはルディ・ゴベアで、このポジションでリーグ屈指の実績を持つゴベアを凌駕し続けた。

キャブズを率いるJ.B.ビッカースタッフは「ジャレットはゲームを支配していた」と言う。リバウンドはアレンの18に対してゴベアは17と互角だったが、大きな差はアレンの33得点に対してゴベアの得点は7しかなかったこと。フィールドゴール試投数はアレンの19に対して7と、アレンのディフェンスに阻まれたゴベアはアタックに行くこと自体できなかった。一方でアレンはフィールドゴール19本を放ち9本を決めている。

さらに決定打となったのはフリースローで、ゴベアの2本に対してアレンは21本を得ている。ペイントエリアで肉弾戦を繰り広げながらもアレンは個人ファウルわずか1つと、ファウルを上手くコントロールできていた。一方でゴベアのファウルは第3クォーターまで2つだけだったが、第4クォーターに4つを犯してファウルアウトとなり、オーバータイムにはプレーできなかった。彼がファウルアウトになったのは第4クォーター残り27秒。アンソニー・エドワーズのシュートがリムに嫌われた瞬間、ボックスアウトで彼の前に出たアレンを腕で押さえつけたことで個人6つ目のファウルをコールされた。

カール・アンソニー・タウンズを欠く状況でゴベアは決してファウルアウトしてはいけなかった。だが、彼の犯したミスはまだある。この時点でウルブズは1点リードしていたのだが、ファウルを宣告された瞬間にカッとなった彼は、審判に向かって『札束を数える仕草』をした。この行為にテクニカルが宣告され、テクニカルフリースローをダリアス・ガーランドが決めて同点に。ゴベアの愚行は終盤の大事なリードを溶かし、自分がプレーできない延長でチームの負けをもたらした。試合後のゴベアは「未熟な態度を取ってしまった。テクニカルを受けて当然の行為だった。僕のせいでチームは負けた」と反省の言葉を口にしている。

キャブズはドノバン・ミッチェル、エバン・モーブリー、マックス・ストゥルースを欠く中で西カンファレンスの首位チームを相手に価値ある勝利を手に入れた。勝利の立役者となったアレンは、ゴベアとのマッチアップについて「ただ全力でプレーしただけさ」と語る。「ルディは批判されることもあるけど、身長があってウイングスパンも長く、経験もあってポジションの取り方や技術にはやっぱり素晴らしいものがある。僕としてはいつも以上のエネルギーを出して臨み、少しでも彼を困らせるようなプレーを心掛けたつもりだ」

「リバウンドを争う時は先にコンタクトして良いポジションを取りに行く。そうやって自分のアドバンテージを作っていった。ただ、そういうプレーも僕は常にチームワークでやるものだと思っている。一人の力でやっているわけじゃない」

アレンの他にも、ダリアス・ガーランドが34得点8アシストとオフェンスを引っ張り、アイザック・オコロはアンソニー・エドワーズをマークして19得点に抑え込んだ。前日の試合で大活躍したエドワーズだが、この試合はオコロの守備を引きはがせずに第4クォーターとオーバータイムで無得点と沈黙している。

キャブズは東カンファレンス2位に浮上。いまだケガ人が多いことは課題だが、それでも厳しい接戦をモノにする粘り強さを身に着けている。「ああ、僕らのベストはケガ人が戻って来た時だ。復帰する選手たちが僕らに新たな力を与えてくれるのが今から楽しみだよ」とアレンは言う。昨シーズンのプレーオフではファーストラウンド敗退。あれから1年、キャブズは飛躍の準備が整ったと言えそうだ。