ジョー・イングルス

写真=Getty Images

同じ境遇の人へ「あなたは一人ではない」

ジャズのジョー・イングルズが、オールスターブレーク前に、最愛の息子に関するある事実を発表した。

イングルズは、プロネットボール選手の妻との間に、男児と女児の双子を授かった。そして、2歳になった息子のジェイコブ君が、自閉症と診断されたことを明かした。

イングルズは、ジェイコブ君が自閉症と診断されるまでの経緯と、その前後の心境を綴った長文を『Exclusive Insight』に掲載。これまで一握りの関係者にしか知らせていなかった事実を公表した。

今シーズンもジャズの先発として57試合に出場し、キャリアハイとなる平均11.7得点を記録しているイングルズだが、ここ数ヶ月は妻と息子の将来について悩み、苦しむ日々が続いた。専門医によるテストを受け続け、1月上旬に息子が自閉症スペクトラムと診断された後、イングルズ夫妻は悲しみに暮れ、眠れない日々を過ごしたという。そして、妻が妊娠していた時期の食事にもっと気を使うべきだったのではないか、出産後に現役復帰した妻と離れて暮らすべきだったのか、子供が生まれてからの食事にさらに気を配るべきだったのではないか、接種したワクチンが自閉症の原因になったのではないか等々、あらゆる後悔の念に襲われた。

気持ちの浮き沈みに疲れ果てたイングルズは、これまでの顚末をジャズに伝えた。ヘッドコーチのクイン・スナイダーは、イングルズに寄り添い、球団全体でサポート。彼はスナイダーとジャズのサポートに感謝し、バスケットボールよりも人生の方が大切という信念を持つスナイダーのためにプレーしたい気持ちが強くなったという。また、妻が所属するオーストラリアのメルボルン・ビクセンズのサポートに対する感謝の気持ちも綴った。

幸いにも、早期療育を始めたおかげで、ジェイコブ君の発育スピードは目に見えて改善され始めているという。彼は、息子と同じ診断を受けた家族を持つ人たちに向け、早期療育と、自閉症に対する意識を持つことが重要と説いている。

「子供の親として、自分たちが正しいと思うことを信じないといけない。私たちは、そうしてきました。私たちが今経験していることを過去に経験した人たち、同じように経験している人たちからは、同じアドバイスを受けます。早期療育、自閉症に対する意識、知識が力になると」

「早期療育のおかげで、ジェイコブにも大きな変化が見て取れます。自閉症スペクトラムと診断された子供、家族には、終わりのないサポートが必要になります。意識すること、認知することが何よりも大切であるため、私たちは言葉を発信していきます。私たちは、自分たちの子供にとって最善を願っています。できる限りのことをしたいと思っています。この症状について学び始めました。今は、今後の経過によって色々と変化していくものと考えています」

「私たちにとって、この状況は辛いものです。ですが、私たちはハードワークを前に不安になったり、躊躇うこともありません。良い日も、そうではない日も、私たちは2人の子供たちに成長する機会、学ぶ機会、彼らの力を引き出す機会を与えていきます。もしあなたが、最近になって自閉症と診断されたお子さんの親御さんであるなら、忘れないでもらいたい。あなたは一人ではない」

「このオールスターブレークは、私たち家族に必要な時間を過ごさせてもらいます。そして引き続きサポートしてくれているユタ・ジャズ、メルボルン・ビクセンズ、友人、家族に感謝しています。私たち家族は、2019年、そして今後を非常に楽しみにしています」