首位A東京まで1ゲーム差「手の届くところまできています」
宇都宮ブレックスは先週末にファイティングイーグルス名古屋と対戦。第1戦は今シーズンワーストとなる26ものターンオーバーを犯したものの、アイザック・フォトゥのブザービーターにより劇的な逆転勝利を収めた。第2戦は初戦の反省を生かしてミスを最低限に抑えると、FE名古屋の粘りを退けて連勝を6に伸ばした。
第2戦でファウルトラブルに苦しんだ遠藤祐亮は、プレータイムが約20分に留まったものの、序盤の11-0のランを牽引する2本の3ポイントシュートを沈め、最終クォーター残り2分26秒にはリードを13点に広げる長距離砲を射抜き勝利に貢献した。
地区優勝を狙うには取りこぼしは避けなければならない。だからこそ、調子が決して良くなかった第1戦のような試合を勝ち切ったことに意味がある。遠藤は言う。
「本当に東地区で1位になりたいという気持ちと、だけどアルバルク(東京)になかなか届かないという、追いつきそうで追いつけないのがずっと続いていましたが、本当に手の届くところまできています。前半戦は惜しい取りこぼしが何戦かありましたが、後半戦そういうのが許されない状況になっていきます。昨日のようなゲームでも、どんな状況でも勝ち切れる強さが自分たちにあると思うので、そういうメンタルを強く持ってやっていきたいです」
東地区首位のA東京は琉球ゴールデンキングスと東西首位決戦を1勝1敗で終えた。そのため、宇都宮はゲーム差を1に縮めている。
佐々HC「自分にしかできないことをちゃんと拾ってくる」
遠藤はベストディフェンダー賞を2度受賞し、2018-19シーズンにはベストファイブに選出された経歴を持つ、リーグ屈指の2ウェイプレーヤーだ。生え抜き選手として常にチームの中心を務めてきたが、大黒柱の移籍や実力者の加入など、チームの姿が変わるにつれてその役割は変化してきた。今シーズンにスコアラーのD.J・ニュービルが加入したことで、オフェンスの中心は比江島慎と彼が担うことになり、以前はクリエイトもしていた遠藤の役割は限定的なモノとなった。現在34歳とベテランの域に達している遠藤は自分が置かれている状況を理解しつつ、受け入れている。
「今まではボールハンドラーになる場合が多かったりしましたが、それに長けた選手がいて、今は役割がシューターに変わってきました。優れた若い選手が出てきて、年齢を重ねた自分がチームでの競争で勝ち残っていくためには、自分の形を変えていかなきゃいけないと思っています。チームに求められることを第一に考えてやっていて、それが相手にとって脅威になっている部分もあると思っています」
宇都宮の佐々宜央ヘッドコーチは「多分、選手としても怯えてくる(時期)のが素直」と言い、ベテラン選手の誰もが通るであろう心境を代弁。その上で、遠藤が持つ『整理する力』を高く評価し、変わらない信頼をこのように話した。
「ちょっと年を取ってきて、ディフェンシブな選手も増えて、慎が入ってDJが入ってきたり、また(高島)紳司も下から入ってきたり、目まぐるしく状況が変わってきた中で、このまま自分に役割があるのかなと思うのが普通。僕も最初はスタートを外しというか、役割をそっち側(シューター)にしたところで、本当に難しかったと思います」
「このチームの、今のそういう遠藤が素晴らしいというか。これって、自分で整理する力を持っていると思うんです。整理する力がない選手だったら、コーチも必要としてないんだって思ったり、どうせDJ中心でしょって、多分そういうネガティブな発信になっていくと思うんです。でも、遠藤は今だったらキャッチ&シューターとしてだったり、声掛けだったり、自分にしかできないことをちゃんと拾ってくる。このチームでの役割を自分の中に落とし込んでいで、その整理する力がプラスに働いています」
指揮官の指示に従うのは当然のことだが、役割が変われば求められるプレーも変わる。遠藤はその変化に順応しつつも、「エゴというか、こだわる部分はこだわっています」と、自身のプライドは捨てていない。
「シュートの部分やディフェンス。DJが相手のエースを任される部分はありますけど、DJが出れないタイミングは自分がやる、自分がつきたいっていう気持ちはあります。得点源はいるけど、得点でもチームに貢献したいと思っています。今まではピック&ロールから3ポイントを打ったりしていましたが、今は味方がほしいポジションに必ずいてシュートを打つのが役割です。形は変わりましたが、0本の試合がないように多くシュートを打つことを心がけています」
遠藤はここまで、平均7.9得点、3ポイントシュート成功率40.2%を記録している。少なからず衰えを感じ、自身でも全盛期は過ぎたと自覚しているかもしれない。それでも、様々な経験を積み重ねた彼は『整理する力』でアジャストし、今後も宇都宮の主力を張り続ける。
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