「インサイドゲームでは勝てません」
3人制バスケ『3×3』女子日本代表は1月15日から18日の期間で、第1次強化合宿を実施した。
パリ五輪の出場国は8カ国で、すでに3カ国が決定している。残りは5枠だが、ユニバーサリティオリンピック予選1{UOQT1(日本には出場権がない)}の優勝国が出場権を獲得するため、実質的には残り4枠しかない。
日本がパリオリンピックに出場するには5月3日から栃木県宇都宮市(ライトキューブ宇都宮、宮みらいライトヒル)で開催される『FIBA 3×3 バスケットボール ユニバーサリティオリンピック予選2(UOQT2)』で優勝するか、5月16日よりハンガリーで行われるFIBAオリンピック世界最終予選(OQT)で3位までに入る必要がある。
3月26日からはアジアカップが開催されるが、この大会の結果はオリンピックに直接繋がるモノではない。それでも、指揮官の長谷川誠は「まずはアジアカップで上位を目指す」と言い、「UOQT2は地元開催なので、もちろん1位を狙います。まずは出場権を獲ることを第一優先に」と続けた。
5人制と同様に3人制も高さの優位性は変わらない。さらにフィジカルに関しては、5人制よりもよりファウルがコールされづらく、身体の強さも求められる。そのため、体格で劣る日本が世界と対等に戦うには、攻守の切り替えの速さが必要と長谷川ヘッドコーチは言う。「やはりコンタクトゲームなので、自ら当たることを意識しています。 強度の高いディフェンスとスピードの2点を中心に、オフェンスからディフェンスの切り替えを速く、今はそこを意識して良い感じでやれています」
3人制と5人制の一番の違いと言えるのが『2点シュート』の存在だ。5人制の場合、3ポイントシュートは2点シュートの1.5倍だが、3人制の場合は純粋に2倍の威力がある。長谷川ヘッドコーチは当然のように、この2点シュートを中心にオフェンスを展開していくと語った。
「積極的に外のシュートを打っていこうと言っています。海外には2mや190cmの選手がいますが、このチームにはいないのでインサイドゲームでは勝てません。5人制と比べて、2点と3点ではなく、1点と2点の違いがあります。倍の点数が取れるので2点を中心に攻めていきます。練習から打たせていますが、ただの2点じゃなくディープも積極的に狙っていこうと。5人制の6号ボールの大きさで重さは7号とボールが違うので、慣れが必要になっていきますが、練習前や後にどんどん打たせています」
今回の第1次強化合宿は13名が招集されたが、コンディション不良のため桂葵と江村優有が参加できなかった。Wリーグ所属の選手が多数を占めていることもあり、リーグとのスケジュール調整もあることから、今後もメンバーを完全に固定せずメンバーを招集していくという。
「固定はしません。いろんな組み合わせをやってみて、この選手からのパスがシュートの確率が高いとか、この選手のスクリーンによってノーマークができたとか、そういったデータを集めています。4ビッグや4ガードはありえないです。1ガードや2ガードでまとめましたが、型にはめずに各自の状況判断でプレーさせることが大事だと思っているので、今日はそういう構成でやりました」
UOQT2で、最短でのパリオリンピック出場権獲得を目指す3×3女子日本代表は、今後も様々な組み合わせを試し、最適解を見つけていく。
強化合宿参加メンバー
桂葵(F/182cm/Dusseldorf ZOOS)
高田静(G/169cm/ENEOSサンフラワーズ)
永田萌絵(F/174cm/デンソーアイリス)
中田珠未(C/182cm/ENEOSサンフラワーズ)
佐坂樹(F/178cm/トヨタ紡織サンシャインラビッツ)
金田愛奈(G/F/175cm/シャンソン化粧品シャンソンVマジック)
宮下希保(F/178cm/トヨタ自動車アンテロープス)
奥山理々嘉(F/180cm/日立ハイテククーガーズ)
窪田真優(G/168cm/日立ハイテククーガーズ)
高橋未来(G/169cm/デンソーアイリス)
古木梨子(G/158cm/東京医療保健大学/トヨタ自動車アンテロープス)
三田七南(F/179cm/ENEOSサンフラワーズ)
江村優有(G/160cm/早稲田大学)