レブロン・ジェームズ

ディフェンス重視のダービン・ハムを解任する噂も?

シーズンも30試合近くが消化され、勝率の上がらないチームではトレードの噂話も増えてきました。レイカーズは人気チームらしく火のないところからも煙が立ちまくるのが常ではありますが、『充実した補強』と評価されたオフが嘘のように様々な噂話出ており、ヘッドコーチのダービン・ハムを解任する話まで出てくるようになりました。多くの噂は噂で終わるとはいえ、少なくとも良い状況と言えないのは間違いありません。

そんな中、現地24日のサンダー戦でハムはディアンジェロ・ラッセルをスターターから外し、ジャレッド・バンダービルトを加える変更を行いました。チーム3位のスコアラーであり、チーム2位のアシスト役であるポイントガードを削ってでもディフェンダーを起用したのは、ハムが優先すべきはディフェンスだと考えているからでしょう。実際にアンソニー・デイビスを中心にしたディフェンスは、インシーズン・トーナメントを制する原動力でした。

レイカーズのディフェンスレーティングはリーグ8位の112.5と健闘していますが、チームで3番目にプレータイムが長いオースティン・リーブスがベンチにいる時間帯に限れば、105.8とリーグトップクラスのディフェンス力になります。リーブスも開幕10試合目から先発を外れましたが、チームが上手くいかなければディフェンスを改善し、その分だけオフェンスではレブロン・ジェームスに頼るシーンが増えました。シーズン序盤はプレータイムを制限されていたようなレブロンでしたが、12月は35.9分で27.9得点、9.5アシストとフル稼働でオフェンスを引っ張っています。

問題なのはオフの補強がオフェンシブな選手を中心としたものだったことで、キャメロン・レディッシュがディフェンダーとして奮闘していることを除けば、補強方針と選手起用が一致していません。デッドラインまでにトレードでレブロンの負担を減らせるようなオフェンスの得意な選手を獲得しても、攻守のバランスが崩れるようではハムにとっては意味がありません。そういう意味では、オフェンス勝負に舵を切るためのヘッドコーチ交代も考えられますが、勝率が5割を超えており、インシーズン・トーナメントで優勝した状況でその決断を下すのは難しいものがあります。

過去3シーズンはレブロンとデイビスのケガに泣かされてきたレイカーズですが、この2人の欠場が少ない今シーズンはチーム力を高める時間を取れています。多種多様な噂話はありますが、レブロンとデイビスを中心に勝つためには、何が必要で何が足りていないのかを見極め、ネームバリューやスタッツの見栄えに惑わされることなく、チームの強化に繋がるトレードを検討していく必要があります。