髙田真希

8度目の決勝対決で遂にENEOS越えを達成「ようやく勝てました」

12月17日、皇后杯の決勝戦が行われデンソーアイリスがENEOSサンフラワーズに89-56で圧勝。過去7度出場の決勝戦すべてで敗れていた因縁のENEOSをついに撃破し、悲願の初優勝を達成した。

試合の立ち上がりからデンソーは前から激しく守備のプレッシャーをかけることで、ENEOSのガード陣のドライブを抑える。この結果、ENEOSは大黒柱である渡嘉敷来夢がガード陣との連携からシュートをほとんど打てなかった。守備で流れをつかんだデンソーは、髙田真希、馬瓜エブリンらのアタックで得点を重ね21-13と先行する。

第2クォーター、ともにベンチメンバーがコートに立つ中でデンソーは赤穂さくらが高確率でジャンパーを決めることで流れをキープする。ENEOSはゴール下を固めるデンソーの守備に対し、キックアウトからの3ポイントシュートと、展開は悪くなかったがシュートを決め切れない。一方のデンソーはリバウンドをしっかり取ると、トランジションからテンポよくパスを回し、各選手が思い切りよくシュートを放ったことで高確率で決まった。

デンソーの14点リードで迎えた第3クォーターの出だし、レイアップを続けて外してしまいリズムを崩したENEOSに対し、デンソーは髙田が圧巻のパフォーマンスでチームに勢いを与える。「迷わず打とうと心掛けていました。困ったらこのプレーをコールしてと(司令塔の)木村(亜美)選手に伝えていました」と振り返る、渡嘉敷のマークの上から放つ3ポイントシュート成功など、このクォーターだけで10得点と大暴れした。

この髙田の爆発によって、後半開始3分でリードを20点に広げたが、その勢いは最後まで止まらなかった。第3クォーターを25-6と圧倒し、第4クォーターを前にリードを33点に広げて勝負を決めた。髙田は21得点6リバウンド5アシストを記録し、大会MVPを受賞。デンソー在籍16年目にして初のタイトルを獲得した髙田は、試合後の優勝会見でこのように語った。

「素直にうれしいです。ようやく勝てました。悔しい気持ちをずっとしてきた中でもやり続けたことでこの結果が生まれたと思っています。過程を頑張り続けたこと、一人ではなくみんなで悔しさを味わってきた分、喜びは大きいです」

「やっぱり、コツコツ頑張ったことで花が咲くのだと思いました」

日本一という最高の結果を残した後でも、過程について言及するところに高田の揺るぎない信念が見える。振り返れば昨シーズンのWリーグセミファイナルでENEOSに惜敗した後、高田は「結果がすべて」と勝負の厳しさを受け入れつつ、「自分は過程にすごく価値があると思っています。結果だけでなく、過程にも素晴らしいものがある」と語っていた。

そして、チーム一筋16年目にして悲願の頂点に立った今、高田はあらためて過程の大切さを強調する。「日本一だけが取り上げられてしまうのは、自分としてはあまり良くない傾向でもあるのかなと思っていたところです。日本一は1チームしかない訳で、それ以外の人がダメだったかと言えばそうではないです。みんながそれぞれのチームで頑張っています。自分は(日本一に)16年かかりましたが、評価されない中でもやり続けたことが良かったと思います」

「もちろん結果が出ないことで、『もう辞めたいな』、『このまま優勝できずに終わるのか……』と思ったことは何度もあります。ただ、オリンピックを経験して過程が素晴らしいものと感じ、過程を頑張ることで、結果がどうであれ自分が納得すればそれでいいのかなと思いました。今回、こうして結果が出ましたけど、やっぱりコツコツ頑張ることで花が咲くのだと思いました」

過去7度の決勝敗退、16年目で初の日本一という道のりはとてつもなく長い旅路だ。しかし、「(日本一になるまで)16年かかりましたけど、それを積み重ねたことが自分の人生です」と、その歩みが今の自身を作ってきたとプライドを持つ。「続けることにすごく意味がある。結果が出ないと苦しい、辞めたいと思うのが人間です。それでも自分の人生を通じて、続けることの大切さをたくさんの人に伝えられたと思います」

今日の彼女の姿を見て感銘を受けたバスケットボールファンはたくさんいるはずだ。本日、髙田はその素晴らしいキャリアに燦然と輝く1つの勲章をつかんだ。ただ、どんなに苦しい時も逃げることなく積み重ねてきた15年間の過程もまた、今回のMVPトロフィーや優勝メダルと同等の輝きを放っている。