勝負どころの守備で琉球を上回り、逃げ切り勝ち
シーホース三河vs琉球ゴールデンキングス第2戦。リードチェンジを繰り返し、拮抗した展開が終盤まで続くも、ディフェンスで上回った三河が76-74で勝利し、前日の雪辱を果たした。
試合開始からディフェンスが不安定な三河は7-16と琉球の先行を許すも、ディフェンスを修正してラスト3分間を無失点に抑えると、途中出場の岡田侑大がスティールの速攻、桜木ジェイアールとの合わせからダブルクラッチを決めるなど、流れを変えて同点に追い付くと、第2クォーターに抜け出す。古川孝敏の徹底マークに遭い、なかなかシュートを打たせてもらえなかった金丸晃輔が、桜木との合わせなど動きの中でボールを受けてシュートファウルを連続で誘発した。フリースローを沈めた金丸が1on1でも加点し、このクォーターで12得点の荒稼ぎを見せる。
守備では、狩俣昌也がこのクォーターだけで3ファウルをコールされたが、琉球の起点である並里成を自由にさせず、オフェンスを停滞させた。また生原秀将がリバウンドに絡み、ジェフ・エアーズのファウルを誘発するなど、ボールへの執着心でも上回り、三河が7点をリードして前半を終えた。
三河がわずかに1点をリードして迎えた最終クォーター、ここまで1ポゼッション差以内で試合は推移してきたが、三河の鈴木貴美一ヘッドコーチが「ミスもありましたが、若い選手を思い切って使って、しっかり攻めて結果を出せた」と振り返ったように、岡田が三河に勢いを与える。
スピードのミスマッチがある相手をドリブルで揺さぶり、強気にシュートを放つ岡田の2本連続で3ポイントシュート成功で、三河が62-55と一気に突き放した。
たが、西地区首位をひた走る琉球が底力を見せる。並里が崩し、そこからのパスアウトでシュートを沈めていく得意の展開が出始めると、並里のオフェンスリバウンドをジョーンズがバスケット・カウントにつなげ、残り4分で再び琉球が逆転した。
「積極的にリングにアタック」し、15得点の岡田
その後もリードチェンジを繰り返す拮抗した展開が続いたが、ここで勝敗を分けたのはディフェンスの差だった。残り1分14秒、ここまでターンオーバーのない並里から、狩俣が一瞬の隙を突いてボールを奪うと、速攻に繋げてフリースローを獲得。これを1本成功させて三河がリードすると、その直後のディフェンスで、ケネディ・ミークスがこの日4本目のブロックを田代直希にお見舞いし、大黒柱の桜木が老獪なポストプレーで加点し3点差とした。
ファウルゲームの末に残り5秒で琉球に最後のチャンスが回って来るも、三河はハリーバックしてタフショットを打たせる。古川の逆転を狙った3ポイントシュートがエアボールとなり、三河が逃げ切った。
苦しい場面でチームを救う働きを見せた20歳の岡田は、ともにキャリアハイとなる32分間のプレータイムで15得点を記録した。「自分はルーキーらしく積極的にリングにアタックすることを考えて試合に臨みました。結構ミスもしてしまったんですが、先輩たちが大事なところで助けてくださって、ホッとしています」と初々しいコメントを残した。
敗れた琉球の佐々宜央ヘッドコーチは「第1クォーターでイニシアチブを取れたのに、僕の采配のところでローテーションの組み合わせがうまくいかなくて、時間が止まったところで同点にされて、流れ的に三河さんに持っていかれて厳しい試合になったなと。特にアウェーだと、イニシアチブを取られると取り戻すの難しい」と振り返る。
三河は前日の雪辱を果たし、18勝17敗と再び貯金を得た。鈴木貴美一ヘッドコーチが「プラス材料がたくさんあった試合でした」と語ったように、西地区首位の琉球から挙げた1勝には大きな価値がある。開幕から思うような結果が出ていない三河だが、若手が台頭し、チーム内競争がより活性化されている。ここから逆襲が始まるかもしれない。
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