島根スサノオマジック

最高のスタートを切るも、安藤にゲームハイの26得点を許して失速した秋田

秋田ノーザンハピネッツがホームの開幕戦に島根スサノオマジックを迎えた一戦。

秋田は代表活動を終えた熊谷航と赤穂雷太が先発に名を連ねると、互いにポテンシャルを発揮。赤穂は持ち味の強度の高いディフェンスでペリン・ビュフォードにタフショットを打たせ続けると、3ポイントシュートも沈めて攻守で躍動。熊谷も安定したゲームメークを見せつつ、自ら3ポイントシュートを決め、ウィリアムス・ニカからオフェンスファウルを誘発と好プレーを披露した。流れに乗った秋田は古川孝敏も長距離砲を射抜き、開始約4分でリードを2桁に乗せた。

その後も中山拓哉がビュフォードを抑え、田口成浩が7得点を重ねるなどセカンドユニットが機能。10本中6本の3ポイントシュートを成功させた秋田はロバート・ベイカーの3ポイントシュートで締め、28-14と大量リードを奪った。

第2クォーターに入っても、セカンドチャンスから長谷川暢がプルアップスリーを決めるなど秋田は最大で18点までリードを拡大したが、徐々にボールムーブが停滞し失速してしまう。

ディフェンスを崩してノーマークを作るもフィニッシュが決め切れずに苦しんでいた島根だったが、安藤誓哉と白濱僚祐、ニック・ケイが連続で長距離砲を射抜き、一気に点差を縮める。残り約4分には安藤のキックアウトから白濱がコーナースリーを決めて、点差を1桁に戻した。その後も強気にシュートを打ち続ける安藤が連続で3ポイントシュートを沈め、晴山ケビンの長距離砲で締めた島根が40-42と背中を捉えた。

試合後、前田顕蔵ヘッドコーチもこのクォーターの失速を敗因に挙げた。「リードがある中で、2クォーターの最後は2点差でしか終われなかった。そこは非常に弱かった部分だったと思います。相手は非常にオフェンシブなチームなのでどうやってチームで守るか。タレントに対してどうゲームを作るか。結局安藤選手に26得点やられてますし、ゲームプランのところで準備したいと思います」

後半に入り、島根はケイのダンクで同点に追いつくと、直後には安藤が3ポイントシュートを沈めてついに逆転。その後、互いに点を入れ合うシーソーゲームとなったが、タフショットを次々と沈め、このクォーターだけで14得点の荒稼ぎを見せた安藤の活躍もあり、島根が5点をリードして最終クォーターを迎えた。

その後、追いかける展開が続いた秋田だったが、24秒バイオレーションを誘発するなどディフェンスの集中力が増していく。ディフェンスで我慢し、インサイドでもスコアできるようになると、田口のセカンドチャンスポイントで逆転し、同点でオフィシャルタイムアウトを迎えた。

残り3分を切って同点と、その後も拮抗した展開が続いたが、安藤がディープスリーを沈めた島根が一歩抜け出す。さらにここまで6得点に抑えられていたビュフォードがここ一番でドライブから得点し、さらに2人を引き付けてニカのイージーシュートをお膳立てしたことで、3ポゼッションのリードを奪った。それでも、あきらめない秋田はオールコートプレスからボールを奪い、古川が3ポイントシュートを射抜いて、残り40秒で3点差と望みを繋ぐと、残り2.8秒にはジェフリー・クロケットがタフな3ポイントシュートを沈めて延長に持ち込んだ。

驚異的な粘りを見せた秋田だったが、延長に入るとシュート精度が上がらずに得点が伸び悩むと、オフェンスリバウンドを拾われセカンドチャンスを許してしまった。延長だけで安藤が3アシストを記録し、ビュフォードが速攻からアリウープを決めるなど、中心選手が終始安定したプレーを見せた島根が93-87で激闘を制した。

島根は安藤が7本の3ポイントシュートを含むゲームハイの26得点を記録。ビュフォードは秋田の徹底マークに遭い13得点に留まったが、無理に攻めずにチームプレーに徹し、ともにチームトップとなる12リバウンド8アシストを挙げた。