河村の速攻は「ある意味、自分の得点」

日本代表は本日、ワールドカップ最終戦でカーボベルデ代表と対戦する。この試合に勝利すれば、目標に掲げてきたパリ五輪出場権を獲得できる。そのため、順位決定戦初戦のベネズエラから得た1勝は大きな価値があった。

日本はここまで4試合を戦い2勝2敗。連日、世界の強豪と激しい戦いを繰り広げてきただけに、選手たちの疲労度はピークに達しているだろう。渡邊雄太が平均33.8分、ジョシュ・ホーキンソンが平均33.6分の出場と、特にインサイドの中心である2人のダメージは計り知れない。だからこそ、数分でもベンチで身体を休める機会を作ることは日本の勝利に直結する。

川真田紘也は初戦でホーキンソンがファウルトラブルに陥ったこともあり15分のプレータイムを得たが、その後の3試合はすべて5分未満の出場に留まっている。それでも、その『繋ぎの5分』の価値は数字以上に大きく、川真田自身もその大切さを理解している。

「自分はまだこの(世界の)レベルに達していないですが、もちろん出る準備はしています。本当に1分だろうと2分だろうと、それで少しでもジョシュが休めて、チームの勢いになればいいと思っています。もちろん、メインで使われることが目標ですが、今の自分にできる仕事は繋ぎだと思っているので、もっとジョシュを助けられるようにしたいです」

ベネズエラ戦で川真田は4分27秒の間コートに立ったが、得点やリバウンドなどの主要スタッツはすべてゼロだった。それでも、出場時の得失点差は+11を示し、彼がいる時間帯はリズムが良かったことを表している。また、ボックススコアには計上されない完璧な『アシスト』も披露した。最終クォーター残り6分40秒、リバウンドを取った馬場雄大からパスを受けた河村勇輝はボールプッシュを開始し、そのままフィニッシュまで持ち込んだ。河村がイージーにレイアップを決められたのは、川真田が身体を張ってヘルプにいくマークマンを押しこみ、ゴールへの道を作り出したからだ。川真田も「ある意味、自分の得点」と言い、その瞬間を細かく振り返った。

「今日も河村がドライブしてきた時にスペース作りをしました。スクリーンを上手にかけること、ドライブに合わせて道を作ることは自分の武器の一つだと思っています。シールをして、河村からパスをもらって僕が決めるパターンもありました。僕が見た時に河村が抜けていたのが見えたので、じゃあ河村が行けよって感じでした。もし彼に顔を見つめられたら、僕がボールをもらうって感じでしたね。いろいろな準備をした上でのあのプレーで、冷静に判断できたと思います」

ゴール下を主戦場とするだけに、バチバチの肉弾戦に目が行きがちだが、本人はその中でも冷静さを失っていない。さらに、コート外へダイブしてルーズボールを追いかけるなど、献身的なプレーで日本を支えている。「自分がハッスルすれば、チームも盛り上がると思っています」。この後の試合でも、頭と身体の両方を使って、チームの勝利に貢献してくれるはずだ。