オーストラリア代表

チームの最大の強みだった3ポイントシュートが不安材料に?

世界ランキング3位、東京オリンピックで銅メダル、次々に登場する新たな才能──。オーストラリアは疑うことのない強豪国ですが、今大会は世代交代のタイミングとなっており、良くも悪くも何が起こるか分かりません。グループリーグで対戦する日本にとってもオーストラリアの状況次第ではチャンスが出てきます。

長らくチームの絶対的なエースとして活躍してきたパティ・ミルズは35歳になりました。相棒のジョー・イングルスも35歳で、ともに今大会には参加するものの、エースとしての働きを期待するのは難しい年齢になっています。新たな中核選手になれるタレントとしてジョシュ・ギディー、ダイソン・ダニエルズ、ジョシュ・グリーン、マティース・サイブルなど20代前半の選手がロスターに加わり、チームの印象は大きく変わりそうです。

特に20歳のギディーはサンダーで16.6得点、7.9リバウンド、6.2アシストと抜きん出た結果を残しています。ポイントガードとして優れたパスセンスを持ちながらリバウンドも強く、懸念だった得点力にも大きな改善を見せているギディーの才能に疑いの余地はなく、ミルズからバトンを受け取ることが期待されます。ただし、それはシュート能力の高さを生かしたスコアラーとして動き回るミルズ中心の戦術とは異なり、ギディのアクションから始まる戦術になるため、短い準備期間でどれだけ準備ができるかは疑問です。チームの完成度がオーストラリア最大の懸念事項です。

また、チームの最大の強みだった3ポイントシュートはミルズとイングルスの技術によるところが大きく、ギディーだけでなく多くの若手にとっては不安材料となります。オーストラリア出身の選手は総じてディフェンス力と戦術理解力が高い一方でシュート力に難点があり、ビッグマンの人材が手薄なこともあって、オフェンスでは好不調の波が激しくなりそうです。それだけにハードなディフェンスから速攻に繋げられるかがオーストラリアが勝ち進むためのキーポイントになります。

日本、フィンランド、ドイツと同組の『死のグループ』は、新たなチームで臨むオーストラリアにとっても厳しいものです。試合を重ねながら戦い方を調整していく余裕はおそらくありません。個人能力では優勝候補ではあるものの、チームとしての連携構築に手間取るようでは早期敗退の可能性も十分にあります。ミルズの時代から大幅な若返りが成功するのか、世代交代のタイミングで迎える今大会はチームとしての成長と勝利の両方を追い求める大会になります。