比江島慎

熾烈な代表争い「明日切られるというメンタリティで臨んでいる」

バスケットボール男子日本代表は8月4に行われたニュージーランドとの国際強化試合第2戦に75-94で敗れた。スコアが示すように、ニュージーランドのフィジカルなアタックを止められず、大量失点を喫したことが主な敗因となった。

7月下旬の韓国遠征では、韓国のフィジカルの強さに対応できず初戦を69-76で落とした。しかし、第2戦ではその身体のぶつかり合いで上回り、85-80で勝利した。連戦の場合、初戦を落としたチームはよりエネルギッシュに向かっていく。今回のニュージーランド戦はその第2戦のエネルギーの差がモロに出た形だ。

比江島慎は言う。「前回の試合に負けたことで、ニュージーランドはエネルギーをしっかり出してきました。それを上回れなかった部分は反省しないといけません。日本の持ち味はスピードでそれが出せなかった時間帯はやっぱり流れが相手に行っていましたし、アップテンポにいけた時はズレが生じて良いバスケができていました。まだまだ突き詰めていかないといけない部分があるので、今日の試合を反省して次に生かしたいと思います」

約20点差の完敗とあってネガティブな発言が多かった比江島だが、チームハイの12得点を挙げたように、彼のパフォーマンスはここ最近では一番だったように映る。実際に本人も「まぁ悪くないって感じです」と笑顔を見せた。

日本は生命線である3ポイントシュートが35本中8本の成功(22.9%)に終わったが、ニュージーランドのタフなディフェンスを崩せなかったことでオープンでなかなか打てなかったことがこの低調な確率の一因となっている。その中で比江島はキャッチ&シュートではなく、プルアップスリーを高確率で沈めた。その結果、前がかりになった相手を抜き去り、ドライブからも得点を量産した。

「今日は相手がよりフィジカルに来たので、ちょっとの隙間で3ポイントシュートを狙ったり、自分の持ち味であるドライブが生きると思っていたのでそこもやりつつ、ファウルをもらうことも意識しながら自分らしいプレーができたと思います」

このように比江島は自身のプレーに手ごたえを感じていたが、それは指揮官も同じ気持ちだ。ポジティブな収穫を尋ねられたトム・ホーバスヘッドコーチは「マコのバスケットも良かった」と言い、比江島のパフォーマンスを収穫の一つに挙げた。また、「でも、2回くらい3ポイントシュートを打つチャンスがあったけど打たなかった」とツッコミを入れたことからも、比江島のパフォーマンスに満足していることがうかがえた。

現在の日本は特に2、3番の競争が激しく、長らく代表の中心を務めてきた比江島であっても、代表の座は確約されていない。それを深く理解している比江島は「一日一日、本当に明日切られるというメンタリティで臨んでいることは変わらない」と言い、緊張感を持って熾烈なサバイバルに挑んでいる。

「このチームはディフェンスで流れをつかんでいくチームスタイルだと思うので、そこは常に意識しています。今日はチームが得点面で苦しんでいる印象があったので、最初は点を取りに行くモードで入りました。自分はいろいろな経験もあるので、周りの状況を見ながらプレーをしています。これから(の強化試合は)もっとレベルが上がっていきますが、そこでも自分の持ち味を出してアピールしていきたいと思います」