27分の出場で15得点12リバウンド7アシストを記録

セルティックスはニコラ・ブーチェビッチを指の骨折でしばらく失うが、戻って来たモノの方が何倍も大きい。『チームの顔』であるジェイソン・テイタムが、アキレス腱断裂を乗り越えて復帰を果たした。

現地3月6日、ホームでのマーベリックス戦。選手入場でテイタムの名前がコールされると、TDガーデンは今シーズン最高の盛り上がりを見せた。スタンディングオベーションを受けて、笑顔でチームの輪に加わったテイタムは、スタメン出場で27分プレーし、15得点12リバウンド7アシストと、まだ『試運転』であっても彼らしいバランスの良い活躍を見せた。

開始から2分、リムに走るニーミアス・ケイタに合わせてロブパスを送ってアシストを記録。テイタム自身がリングを攻める回数は少なく、その点まだ本調子にはほど遠いのだが、味方の3ポイントシュートが外れたところをダンクで押し込んで初得点を記録すると、その直後にはフェイクを入れてマークを外してからの3ポイントシュートを決める。後半にはドライブを仕掛ける回数も増え、少しずつリズムを取り戻していった。試合は120-100でセルティックスの完勝に終わっている。

「最初のダンクでようやく緊張が解けたよ」とテイタムは復帰戦を振り返る。前半は14分プレーして、初得点が生まれたのはその終盤だから、彼としてはかなり長く緊張を強いられたことになる。「長い戦線離脱を経験すると、どうしても不安になる。すべてのシュートを決めたいけど、それ以前にまたコートに立ってバスケができていることへの感謝でいっぱいだった。プレーできただけで僕にとっては大きな勝利だ」

「ここまで本当に長かった。コートに立つ瞬間を何度も夢で見た。観客の熱気やプレーへの興奮は素晴らしいものだけど、42週間半ぶりの試合で一歩遅れたり、逆に動きすぎたりした。それでも、緊張が解けてからはゲームの流れをしっかり感じることができた」

テイタムのアキレス腱断裂の影響は、彼を長期離脱に追い込むだけでは済まなかった。財政的に厳しかったことで、フロントは何人かのベテランを放出。2023-24シーズンに優勝したチームがそのまま崩壊してもおかしくない流れとなったが、この日の時点でチームは東カンファレンスの首位争いを演じており、見事に踏み止まった。

「ケガをした時は本当にたくさんのことを考えた。プレーオフが始まった時点では、このチームでまだ何年も走り続け、何回も優勝できると思っていたのに、あの瞬間にすべてが変わってしまった。選手を放出しなきゃならなかったし、次に何が起きるか分からなかった。だからこそ、今のチームが昨シーズンと顔触れは違うけど、毎試合で一丸となって戦う姿には感銘を受けるし、コーチ陣はいくら称賛しても足りない。今シーズン、これほどチームで結束して戦っているチームは他にないよ」

ヘッドコーチのジョー・マズーラは、これまでテイタム復帰について『急かすトーンで』質問するメディアに対して露骨に嫌な顔をしていた。しかし、この日は彼の態度が一変した。ファンがテイタムに送ったスタンディングオベーションについてマズーラは「苦難の道のりを歩み、乗り越えた彼に対する祝福だ。我々は彼の努力を称え、今まで以上にチームとして結束する」と語る。

それでも、続けて出てきた言葉は極めてマズーラらしい檄だった。「ジェイソン・テイタムがケガを理由に衰えるわけがないだろう。新たな挑戦のスタートで、これまで以上のプレーを見せてもらうよ」