アンソニー・デイビス

1シーズン平均6200万ドル(約84億円)は、単年ではNBA史上最高額

レイカーズとアンソニー・デイビスが、3年1億8600万ドル(約250億円)のマックス額での契約延長に合意した。デイビスが3年間の契約延長を結ぶ資格を得たその日に、両者は合意に至った。3年契約のため契約の総額では先日ジェイレン・ブラウンがセルティックスと結んだ総額3億ドルに及ばないが、1シーズン平均6200万ドル(約84億円)は、単年ではNBA史上最高額となる。

2012年のNBAドラフト全体1位で指名されたデイビスは、デビューしたペリカンズで7シーズンを過ごし、2019年オフにレイカーズへと移籍。その1年目にNBA優勝を勝ち取っている。NBAキャリア11年目を終えて、現在30歳。もともとの契約が2年残っており、さらに3年の契約延長に合意したことで、レイカーズには2028年まで残ることになった。

レイカーズのロブ・ペリンカGMは先月の会見でデイビスについて「選手として最大限に評価している」と語り、こう続けていた。「優勝に貢献したのもそうだし、素晴らしいキャプテンでありリーダーであり、昨シーズンは足を痛めているにもかかわらずプレーを続け、チームをカンファレンスファイナルに導いてくれた。彼がチームの一員であることは喜ばしい」

そして今回の契約延長は、デイビスが近い将来、レブロン・ジェームズに代わってレイカーズの『顔』となることを実質的に決めることでもある。デイビスが2028年までレイカーズに残る一方で、レブロンは残り2年、来年オフにはプレーヤーオプションを破棄してフリーエージェントになれる。いずれレブロンが現役引退を決断するか、そのためのチームへと移籍すれば、デイビスがレイカーズのNo.1プレーヤーとなる。

ペリンカGMとすれば、中長期的なチーム作りという意味でデイビスのリーダーシップには大いに期待しているのだろうが、デイビスにそのことを意識する必要はまだない。昨シーズンのプレーオフで分かったことは、チームバスケットの成熟度をまだかなり上げなければナゲッツには勝てないということ、それでもレブロンとデイビスが『そこそこのコンディション』であれば優勝のチャンスは十分あるということだ。

昨シーズンはチーム作りの失敗があり、シーズン途中にレブロンとデイビスのコアを除いて総入れ替えとなった。その後にケガが重なってチームの成熟度が上がらないままプレーオフを迎えたが、そこで敗れた原因は明らかで、新シーズンには同じ轍を踏まないようにできる。

デイビスの意識は今後の5シーズンではなく、レブロンとプレーする『今』に向けられているはずだ。NBA優勝を求めてレイカーズにやって来たデイビスは1年目でその目標を達成したが、『勝利に飽いている』という状況にはほど遠い。まずは相棒のレブロンとともに、もう一度NBA優勝を目指す。