田臥「オールジャパンの独特な雰囲気を楽しみながら」
昨日行われた『オールジャパン2017』3回戦、栃木ブレックスは四国電力と対戦し、99-66で勝利した。
チームの絶対的司令塔である田臥勇太は先発出場したものの、プレータイムは7分強。セカンドユニット主体で戦うチームのサポート役に回った。「特にベンチメンバーが、この試合では出場機会があると分かっていて、全員でしっかり戦うことができた」と、この試合の収穫を語る。
「普段の練習中からみんな激しくやっているのも当然分かっているので、それをしっかりコートで表現しようという思いでプレーしていると感じました」と仲間たちを称えた。
栃木としては10年連続10回目の出場となるオールジャパン。栃木入団から毎年出場している田臥が、リーグ戦との違いをこう説明してくれた。「試合の間がなかったり、ちょっとしたルールの違いがあって、リーグ戦のように同じ相手と2試合やるわけでもないので、そういうアジャストの仕方は特別です。そこにいかに対応できるかがオールジャパンならではの部分です」
代々木第一体育館で戦う一発勝負のトーナメントを田臥は楽しんでいる。「やはりオールジャパンならではの独特な雰囲気があるので、それをしっかりと楽しみながら。どこのチームに取っても同じ条件なので、1試合1試合しっかりと、勝利を目指して戦うだけです」
今日の対戦相手である千葉ジェッツについては「非常に勢いがあるチームで、乗らせると本当に手がつけられないくらい強い」と警戒する。「自分たちはディフェンスから入って、一つでも多く相手の好きなことをやらせないようにして勝利を目指します」
昨年のオールジャパン、栃木は決勝でアイシン三河(シーホース三河)に敗れ、優勝を逃した。今大会では同ブロックに入っており、ともに勝ち進めば8日の準決勝で栃木と三河の対戦が実現する。栃木の指揮官、トーマス・ウィスマンは昨年大会の悔しさに触れ、「(三河を倒して)昨年の準優勝より先に行きたい」という表現で優勝への意欲を語ったが、田臥の視野に三河は入っていない。
「一つずつ戦っていくだけです。先のことを見すぎても足元をすくわれますので。オールジャパンであれ(Bリーグの)レギュラーシーズンであれ、試合には変わりないのでどれも大事にして、常に気合いを入れてやっていきます。そこのアプローチは変わらないです」
柏木「連覇のチャンスをモノにできるようチームとして戦う」
では三河はどうだろうか。昨日は東海大学に127-78で勝利したチームのベテラン、柏木真介は「良い大会の入り方ができました」と語る。その通り、主力級の7選手が2桁得点を奪う大勝だった。
三河の一員として11年連続でオールジャパンに参加している柏木は、この大会の戦い方をこう説明する。「一発勝負は気持ちの部分が大事なんです。ただ、頑張りが先行して力が入りすぎて重くなってもいけない。そこは特にウチの弱点になる部分です。オールジャパンが初めての選手もいるので、彼らがうまく試合に入れるようにしてあげたい」
東海大学を相手に大勝したことについても、「点は取れたのですが、本当に強い相手にこれができるかは分からないので」と慎重だ。「今日も失点は多かったです。ウチは得点のチームに見られて、実際に得点に行きがちですが、得点、得点となってしまうとそれはギャンブルになるので。強い相手とやっても安定して戦おうと思ったら、ディフェンスからペースを持ってくることが必要です」
もちろん、オールジャパン優勝に向けては強い気持ちを抱いている。「連覇できるのはウチだけです。そのチャンスをモノにできるよう、チームとして戦いたい」と柏木は言う。
当然、田臥も引く気はない。「どの試合も一発勝負、しっかりと毎試合、力を出し切ってチーム全員で勝利を目指して、その先の優勝を目指してやるだけです」と田臥は言う。まずは今日の準々決勝、三河は名古屋ダイヤモンドドルフィンズと14時から、栃木は千葉と16時から、それぞれBリーグで同じカンファレンスの『互いに勝手知ったる相手』と対戦する。