エリック・スポールストラ

ルーズボールやリバウンド争いに勝つこと「これは私たちのアイデンティー」

ヒートはホームで迎えたファイナル第3戦に94-109で敗れ、シリーズ通算1勝2敗となってしまった。

ヒートはナゲッツのニコラ・ヨキッチ、ジャマール・マレーの2大エースを全く止めることができず、ヨキッチに32得点21リバウンド10アシスト、マレーに34得点10リバウンド10アシストと好き放題にやられてしまった。

ヒートのエリック・スポールストラヘッドコーチは素直に2人へ賛辞を送った。「素晴らしいデュオで互いを補っている。1人は様々な方法で得点ができ、もう1人は素晴らしいスクリーン、ハンドオフをし、ボールを相棒に戻したり、多くの選手がオフェンスに絡むようにしている。ファイナルでは一流の才能と対戦することを予想しないといけない。そして2人はエリートレベルのタレントだ」

ただ、スポールストラヘッドコーチはヨキッチとマレーを軸としたナゲッツの素晴らしいプレーを称える一方で、自分たちのプレーにも大きな問題があったと反省する。それはヒートの強みである球際の戦いに敗れたことだ。フィールドゴール成功率でナゲッツの51.2%に対し、ヒートは37.0%と成功率で大きな差があったが、リバウンド数でも33-58と圧倒された。スポールストラヘッドコーチは言う。

「私たちは多くのフィジカル、フィフティフィフティのルーズボールの取り合いに負けた。試合の流れを変えるカギとなった瞬間において、私たちはこの争いに負けてしまったんだ。ファイナルのようなエリートレベルのタレント力を持つ相手との戦いにおいて、フィジカルの戦いで負けることは許されない。そうなってしまうと、劣勢を覆すのは本当に大変だ」

ヒートの大黒柱ジミー・バトラーも「僕たちはもっとエナジーを出さなければいけなかった」と言い、指揮官と同じ考えを示した。「敗因は戦術面というより、フロアに飛び込んでのルーズボールやディフェンスリバウンドを取れなかったこと。それができれば異なる展開になったかもしれない」

また、スポールストラはヘッドコーチは「これは私たちのアイデンティー。私たちが勝つ時は、まずこれらの戦いに勝っている」と、リバウンドやルーズボールといった身体を張った泥臭い戦いを制することの重要性を強調した。

ヒートはシリーズを2勝2敗のタイに戻すためにも、第4戦は正念場となる。もちろんヨキッチ、マレー対策は必要だが、自分たちの根幹である激しいプレーを取り戻すことが何よりも求められる。