八村塁

レイカーズのナゲッツ対策は当たるも、チームの総合力に差

西のカンファレンスファイナル、レイカーズは初戦から連敗を喫してロサンゼルスに戻って来た。その第3戦、良いペースで試合を運んだものの決め手を欠き、ナゲッツの総合力に屈した。

ナゲッツのエース、ニコラ・ヨキッチがこの日はシュートタッチ不調。それでもヨキッチがチャンスメークに回り、プレーオフが進むにつれて調子を上げるジャマール・マレーが第1クォーターから17得点と大当たり。レイカーズも良いチャンスを作るが決めきれず、第1クォーターで20-32と2桁のビハインドを背負った。

それでも過去2試合と同じく八村塁がヨキッチのポストアタックをフィジカルなディフェンスで食い止め、さらにマレーにはデニス・シュルーダーがオールコートでプレッシャーを掛けることでナゲッツのオフェンスのリズムを乱すと、レイカーズが前半のうちに盛り返して3点ビハインドで試合を折り返した。

後半に入って調子の上がらないヨキッチがファウルトラブルでベンチに下がらざるを得ない状況になるも、ナゲッツはヨキッチがいる時には目立たないブルース・ブラウン、ケンテイビアス・コールドウェル・ポープが積極的にアタックし始めてオフェンスを勢い付ける。レイカーズはここで一気にリードを奪いたかったが、絶好のチャンスを逸してしまった。

第4クォーター、たっぷり休んだヨキッチがコートに戻る。ここで奮闘したのが八村だった。他の選手が積極性を欠く中、3ポイントシュートでレイカーズに待望のリードをもたらすと、ヨキッチの手前から放つミドルジャンパー、さらにダンクを狙ってファウルを引き出してのフリースローでと、リードチェンジを繰り返す展開でレイカーズを3度のリードへと導く。『対ヨキッチ』で役割が明確な分、ヨキッチがコートに戻って来ると八村も調子を上げ、ナゲッツペースになりそうな時間帯に攻守の奮闘でレイカーズを支えた。

しかし、やはり上回ったのはナゲッツだった。ジェフ・グリーンにブラウンとコーナースリー連発、タイムアウトを挟んでマレーにも3ポイントシュートが生まれ、ヨキッチのゴール下も炸裂。苦しい試合展開だったはずのナゲッツが、主役も脇役もそれぞれ持ち味を発揮してレイカーズを押し切り、119-108で勝利した。

八村は13得点6リバウンド1アシスト1スティールを記録。チームが波に乗れない中でオフェンスでもディフェンスでも奮起して、また評価を上げているが、チームの勝ちには繋がらなかった。

これでナゲッツの3勝0敗。NBAのプレーオフで初戦から3連勝したチームは149勝無敗という実績がある。レイカーズはナゲッツのバスケに対策を講じ、それぞれ機能してはいるのだが、それをさらにナゲッツに上回られている状況。奇跡の逆転劇を考える以前に、まずはホームでの第4戦で『意地の1勝』を挙げられるかが問われる。