松脇圭史

岸本、今村と中心選手2人がファウルトラブルも、セカンドユニットが穴を埋めて快勝

Bリーグチャンピオンシップセミファイナル、琉球ゴールデンキングスがホームで横浜ビー・コルセアーズと対戦。計18ターンオーバーを誘発し、後半に限れば27失点と守備の強度で上回った琉球が86-70で初戦を制した。

第1クォーター、ともにタフなディフェンスに加え、ゴール下でのレイアップを決めきれないことでロースコアの出だしとなる。琉球は今村佳太、岸本隆一の中心メンバー2人が揃ってファウル2つを喫する嫌な流れとなるが、ここでベンチメンバーが奮闘した。渡邊飛勇のダンク、松脇圭志の3ポイントシュートなどで突き放し20-11と先手を取る。

第2クォーターに入っても琉球のペースは続く。松脇の3ポイントシュート、ジョシュ・ダンカンのペイントアタックなどで効果的に得点を重ねて、残り4分でリードを12点にまで広げた。しかし、横浜BCは直後、ここまで無得点だった河村勇輝が4ポイントプレーにファストブレイクと6連続得点を挙げたことで反撃を開始。さらに得意のトランジションも飛び出し、横浜BCはこのクォーターで32得点を奪い、43-48と迫ってハーフタイムを迎えた。

第3クォーター、琉球はファウルトラブルで前半のプレータイムが5分半に留まった今村が早々に3つ目のファウルを犯し、すぐにベンチに下がってしまうことに。また、残り6分でチームファウルが5つとなったことで、ゴール下への激しい当たりが難しくなると、横浜BCのチャールズ・ジャクソンにゴール下で得点を量産され、55-55と追いつかれてしまう。だが、ここでコー・フリッピンが3ポイントシュートに加え、持ち味のドライブからアシストするなど悪い流れを変えたことで、僅差だが琉球がリードをキープする。

そして第4クォーターに入ると、アレン・ダーラムを軸としたインサイドアタックで得点を重ねつつ、守ってはタフなディフェンスで相手にゴール下で仕事をさせず琉球が主導権を握った。ゴール下の肉弾戦で完全に優位に立つことで流れを引き寄せると、中盤にかけてはエースの今村がドライブからクーリーへの見事なアシスト、オフバランスでの3ポイントシュート成功とさすがの決定力を見せる。これでリードを再び2桁に広げた琉球は横浜BCに反撃の隙を与えず勝利した。

琉球の桶谷大ヘッドコーチは次のように勝因を語る。「第2クォーターで点の取り合いをして、ディフェンスの意識が疎かになってしまいました。それをハーフタイムに反省し、自分たちのやるべきことをやり続けたのが勝利の鍵となりました」

松脇圭史

「去年にいたメンバーと同じリベンジの思いを持ってプレーしています」

冒頭でも触れたが、琉球はバックコートの中心である岸本、今村の2人が揃って出だしからファウルトラブルに陥った。しかし、セカンドユニットが見事なステップアップを果たし、この想定外の危機を乗り切ったことが大きな勝因となった。特に活躍が目立ったのはオーバーヘルプで守ってくる横浜BCの隙を突き、3ポイントシュートを9本中5本成功させ15得点を挙げた松脇だ。

チャンピオンシップのセミファイナルは松脇にとって初めての舞台となるが、気負いは全くなかったと振り返る。「いつもと違ったことをしようという考えはなく、これまでと同じ自分の仕事をする意識で今日も臨みました。スタートで出ている選手のファウルトラブルもあっていつもより出る時間は長かったですが、その中で自分の仕事ができたことは良かったと思います」

この松脇の仕事とは、チャンスを逃さずに3ポイントシュート打ち続けること。普段は控えめな言葉が多い松脇だが、ことシュートに関しては強気であり、それが大舞台での爆発をもたらした。「自信を持って打たないと入りません。この舞台にひるまずに打つことで、今日みたいな結果に繋がっていると思います」

そして桶谷ヘッドコーチは、レギュラーシーズンからの積み重ねがあったからこそ、今日の松脇の活躍が生まれたと強調する。「松脇が出ていると、周りの選手は彼をすごく探してくれています。シーズンを通してやってきたことが実ってきていると思います」

特にシーズン前半戦、琉球は岸本、今村がベンチに下がっている時間帯でリズムを崩すケースが少なくなかった。だが、今はそういった心配はなく10人、11人のローテーションで戦う厚みのあるチームになった。桶谷ヘッドコーチもこのようにセカンドユニットへの手応えを語る。

「岸本、今村がいない時間帯で牧(隼利)に加え、田代(直希)もマッチアップ次第でハンドラーができます。ダーラムがいることでインサイドへのアタックだけでなく、彼を起点にインサイドアウトもできる。(フリッピン、松脇、渡邊なども加え)持ち札が多いことは良い状況です。一緒に出ているメンバーがそれぞれの特徴を生かし、周りの選手を理解してプレーできているのが安定に繋がっています」

明日の第2戦に勝てば琉球は2年連続のファイナル進出となる。当たり前だが今シーズンから加入した松脇は、昨シーズンのファイナルでの敗戦を経験していない。だが、1年前の悔しさを晴らしたいという思いは、彼もしっかり共有している。「僕には去年の準優勝した経験はないですが、それでも借りを返したい気持ちはキングスに入って持っています。去年にいたメンバーと同じリベンジの思いを持ってプレーしています」

「躊躇したらチームのリズムが変わってしまいます。しっかり打ち続けていきたいです」と語る松脇がいつも通りのプレーを続け、琉球のリズムを作ることができれば、ファイナル進出はより近づくはずだ。