スティーブ・カー「NBAでは選手がレフェリーをいかに騙すかに執着している」
ウォリアーズとレイカーズのカンファレンスセミファイナルは、5試合を戦って3勝2敗とレイカーズがリードしている。このシリーズが試合を重ねる中でホットな議論となっているのが、審判を欺いてファウルコールを引き出す『フロッピング』だ。
ウォリアーズは第1戦でフリースローの数で6-29と大きく離されながら勝利した。第2戦は16-17、第3戦は17-37、第4戦は12-20と、4試合すべてレイカーズがフリースローの数で上回っている。第4戦を終えた会見でウォリアーズを率いるスティーブ・カーは「あからさまなフロッピングがあった」と指摘している。
「ウチはいくつかイリーガルスクリーンでファウルを取られたが、それは残念だった」とカーは語る。「レイカーズの選手たちはファウルを引き出す方法を知っていて、フロッピングで成果を得た。本来は映像を確認する必要があり、私が間違っているのかもしれないが、生で見た時の感じはイリーガルスクリーンではなかった」
アメリカ代表のアシスタントコーチも務めたカーは、さらに持論を展開した。「私は代表でFIBAのルールを学んだ。FIBAのルールでは、選手がフロッピングをしたと審判が判断すればテクニカルファウルになる。それは大きなペナルティだから、FIBAではフロッピングが基本的に存在しない。NBAでは選手がレフェリーをいかに騙すかに執着している。これはリーグ次第、この状況を変えたいのかどうかだよ。私は個人的にフロッピングはなくすべきだと思う」
そして迎えた第5戦、レイカーズのヘッドコーチであるダービン・ハムは、第1クォーター終了後のコートでデニス・シュルーダーが倒されてもファウルを取られなかった判定についてコメントを求められ「ウチではフロッピングは教えていない」と語った。
この第5戦でレイカーズが得たフリースローはここまでで最も少ない15本。そしてウォリアーズが完勝を収めた。カーの指摘がジャッジに影響を与えた可能性についてハムは「我々はいつもと同じようにプレーした。影響があったかどうかは分からない」と答えた。
指揮官ハムは続ける。「我々はフィジカルなバスケをする。だが、フロッピングは教えていない。レブロンの腕には1000の傷がある。AD(アンソニー・デイビス)もオースティン・リーブスもロニー・ウォーカー四世もそうだ。いまさら第三者に助けてもらおうとは思わない」
そしてレブロンも黙ってはいなかった。「僕たちはフロッピングは一切やっていない。それは僕らのゲームじゃない。僕らのゲームはペイントエリアへの攻撃であり、フィジカルコンタクトを嫌がるのではなく、むしろ逃げずに向かっていく。フロッピングをやっているわけじゃないんだ。実際、僕が20年間プレーしたどのチームも、フロッピングのチームではなかった」
『TNT』のクリス・ヘインズ記者は、誰かは明かさなかったがレイカーズの選手がこんなテキストメッセージを送ってきたと紹介している。「彼らには文句や不満を言わせておこう。それは弱さと不安の証だ。僕らはそのゲームに巻き込まれない。ただプレーし、戦い続けるだけさ」