ジェイレン・ブラウン

「ボールにプレッシャーを掛け、フィジカルに守るのが僕らの挑戦」

セブンティシクサーズは敵地での初戦に競り勝ち、ジョエル・エンビードが待望のシーズンMVP受賞を決めて足首のケガから復帰。カンファレンスセミファイナルの流れを一気に持っていきそうな気配だったが、これをセルティックスが完膚なきまでに叩きのめした。

シックスマンのマルコム・ブログドンは第1戦の負けを受けて「自分たちのプレーが十分ではなかった。そのことに腹を立てている。絶対に取り返してみせる」と強い気持ちを言葉にしていた。セルティックスのすべての選手がそれをコート上で遂行した。

エンビードは15得点、第1戦で45得点を挙げたジェームズ・ハーデンは12得点と、2人のエースが揃って不発。エンビードは試合当日のシュートアラウンド後に出場を決めるも、強引なアタックには行けず、本来のパフォーマンスにはほど遠かった。ハーデンは第1戦では自分がすべてをコントロールして結果を出したが、エンビードが戻って来たことで思い切りの良さが消えた。アル・ホーフォードにグラント・ウィリアムズとエンビードに付くどの選手も激しく、そして隙のないディフェンスを徹底し、ブログドンは自分の言葉を実証するようにハーデン相手にスペースも時間も与えなかった。

シクサーズはパスワークを分断され、個々での攻めを強いられるも突破できない。序盤はタイリース・マクシーが孤軍奮闘で得点を動かしていたが、そこも抑えられると打つ手がなくなってしまった。

セルティックスもシュートタッチがそれほど良かったわけではなく、ジェイソン・テイタムのファウルトラブルも痛手となったが、堅実なディフェンスからオフェンスのリズムを作り出し、試合が進むにつれてリードを広げていく。第3クォーター残り2分、60-83という場面でシクサーズはエンビードを下げ、しばらく後にハーデンもトバイアス・ハリスも下げて、早々に白旗を掲げた。結果、セルティックスが121-87で勝利している。

ゲームハイの25得点を挙げたジェイレン・ブラウンは「前の試合での出来が悪すぎたから、自分たちのベストを見せたかった。自分たちに誇りを持って戦う、それが僕らが今日やったことだ」と言う。

「プレーオフになってから、チームはディフェンスと集中力を欠いていたように思う。ボールにプレッシャーを掛け、フィジカルに守るのが僕らの挑戦であり、一つひとつの機会を大事にしていきたい。MVPクラスの選手を守るのは大変だし、相手もプレーオフで成功を収めようと全力で戦ってくる。だからこそ僕らは引いちゃいけない。挑戦を受け入れて戦うんだ」

これで1勝1敗、それでもホームでの試合を落としている以上、セルティックスに楽観は許されない。ブラウンはすでに次の試合へと頭を切り替えている。

「次はフィリーでの試合となる。厳しい環境だけど、どういうものかは理解している。難しい挑戦だからこそ強い気持ちで臨みたい。長いシリーズになると覚悟しているよ。ディフェンスがカギになると思うから、僕たち一人ひとりがその挑戦を受け入れるつもりで準備していく」