「2冠して初めて、全体がおめでとうみたいな空気になるんです」
いよいよ明日から、WリーグプレーオフのファイナルでENEOSサンフラワーズとトヨタ自動車アンテロープスが激突する。
ENEOSはデンソーアイリスとのシリーズに第1戦を71-67、第2戦を61-59で連勝し、ファイナルへの切符を手にした。渡嘉敷来夢は「本当に2試合ともタフな試合だったんですけど、しっかり勝ち切ることができて良かったと思っています」と、死闘となったセミファイナルを振り返りつつ、「ケガもあったりして、久しぶりのファイナルの舞台なので楽しみたいと思います」と決戦へ意気込んだ。
右足首の疲労骨折により、昨シーズンのプレーオフを欠場したサブキャプテンの林咲希も「復帰の年でみんなに迷惑をかけたりしたんですけど、ここまでやっと来たなという気持ちです」と、胸を弾ませている。また、対戦相手のトヨタ自動車についてはアウトサイドを警戒しつつ、インサイドの意識を高めることが大事と話した。「3ポイントシュートの調子がどの選手も良いので、簡単に3ポイントシュートを打たせないようにしたいです。インサイド陣も強いので、渡嘉敷さんや長岡(萌映子)さんだけに頼らずに自分たちも協力したいです。チーム全員で勝ちに行かないと簡単に勝てないと思うので、立ち向かってやっていきたいと思います」
今シーズンのトヨタ自動車はヘッドコーチが変わり、若返りも図った。林は「若いのに状況を考えながらやれる子達が本当に多い」と警戒を強める。「以前よりもフォーメーションの部分で噛み合って来ていると思います。川井(麻衣)さんはパスセンスがすごくあって、いろいろな合わせがあるので、気を抜かずにそこに気を付けて戦わないといけません」
ENEOSにとってファイナルは2年ぶりの出場となるが、前回のファイナルを欠場していた渡嘉敷にとっては2018-19シーズン以来となる。ENEOSはそのシリーズを制しリーグ11連覇を達成したが、その後はトヨタ自動車の後塵を拝することになった。それだけに渡嘉敷は王朝の復活へ闘志を燃やしている。そして、すでに皇后杯の栄誉を勝ち取っているが、2冠をすることに意味があると渡嘉敷は強調する。
「ENEOSは伝統のあるチームで、1つ勝っただけじゃ優勝と思ってもらえません。2冠して初めて、全体がおめでとうみたいな空気になるんです。皇后杯は勝てましたが、それだけじゃENEOSグループの方たちは物足りないと思っているので。絶対に勝たなきゃいけないし、勝ちたいですし、優勝します。やるだけです」
皇后杯との2冠を達成し、ENEOSが再び黄金時代を作れるかどうかは、渡嘉敷のパフォーマンスにかかっている。
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