「プレーオフに出て喜ぶのではなく、勝って喜びたい」
ホークスはプレーイン・トーナメントでヒートを116-105で破り、東カンファレンスの第7シードを確保した。昨シーズンはプレーイン・トーナメントを勝ち抜くも、プレーオフのファーストラウンドでヒート相手に完敗を喫しており、今回はそのリベンジを果たしたことになる。
1年前、トレイ・ヤングのワンマンチームだったホークスは、ヒートの『ヤング封じ』に手も足も出なかった。だが、今回はチームバスケットでヒートの対策を上回っている。試合開始早々にリードを奪うと、点差を詰められる場面はあっても追い付かれることなく、リードを守りきる快勝だった。
そうは言っても、ホークスのオフェンスがヤングに牽引されていることに変わりはない。ヤングは第3クォーターまで27分のプレーでチームトップの21得点、さらには6アシストと攻撃を牽引していた。
変化があったのは勝負の第4クォーターだ。ヒートが仕掛ける『ヤング封じ』のダブルチームに対し、ヤングはディフェンスを引き付けてパスをさばいていく。今回のホークスは『ヤングがさばいた次』のプレー選択が早く、そして的確で、ダブルチームを逆手に取ってヤング以外の選手に良いシュートを作り出した。第4クォーターのヤングの得点はわずか4だったが、チームのオフェンスは見事に機能していた。ルーズボールやオフェンスリバウンドでもホークスが上回り、逆転を試みるヒートの勢いを上回った。
試合後、勝因を問われたヤングは「フィジカルで負けずに渡り合ったことだと思う」と答えている。「ヒートは激しく戦うフィジカルが売りのチームで、ディフェンス面で相手を潰しにかかるんだ。そこで押し込まれてしまえば、一気に打ち負かされる。絶対にフィジカルで負けてはいけなかったし、実際に負けずにプレーできたと思う」
「フィジカルに戦うことに加えて、より速いプレーを心掛けた。守備を整える余裕を与えないように、できるだけハーフコートの勝負に持ち込まないように。トランジションを意識して、とにかく積極的に攻める。その意識が僕らの力になったと思う」
プレーオフ進出は逃せない目標だったが、プレーイン・トーナメントに勝って大喜びするわけにはいかない、というのがヤングの考えだ。「もちろん勝てて良かったけど、喜びはしないよ。プレーオフを経験していない若手やルーキーにとっては喜ばしいことだろうけど、僕はもう3度経験している。プレーオフに出て喜ぶのではなく、勝って喜びたい。うれしいけど、次の任務に向けて集中するよ」
これでホークスはプレーオフ進出を決め、ファーストラウンドではセルティックスと対戦する。敗れたヒートは、現地4月14日にラプターズとブルズの勝者と第8シードを巡って対戦する。