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ザック・ラビーンの真価が問われる一戦に

激しい順位争いが続いた東カンファレンスですが、行きつく暇もなくプレーイン・トーナメントが始まります。プレーオフには2連勝が必要なラプターズとブルズの対戦カードは、サイズとスピードの違いを持つ両チームが、お互いの良さを消しにいく戦いになりそうです。

ビッグラインナップを使ってくるラプターズはサイズに強みがありますが、4ガードも厭わないブルズはスピードで対応してきます。しかし、言葉ほど簡単な図式ではなく、ラプターズはスピードを使った展開の中でサイズの利を生かし、3ポイントシュートの少ないブルズはコンタクトを厭わないフィジカルなアタックを持ち味にしており、互いにロスター構成のイメージとは異なる長所を持っています。

ラプターズはリーグ3位の速攻とリーグ2位のセカンドチャンスでの得点を誇りますが、得点は23位と下位に沈んでいます。早い仕掛けの中でイージーな得点チャンスを生み出して得点を稼ぐものの、ハーフコートオフェンスになると展開力もフィニッシュ力も足りずに得点が伸びません。しかも、重要な試合になればなるほど起用する選手を極端に絞るため、ドライブアタックばかりの単調なオフェンスに終始します。

ブルズは速攻こそ16位ですが、セカンドチャンスはリーグ最下位とインサイドの弱いチームです。ハーフコートオフェンスではデマー・デローザン、ザック・ラビーン、ニコラ・ブーチェビッチと3人のエースが確率良くファーストシュートを決めるのですが、彼らのアタックからキックアウトしても3ポイントシュートのアテンプトがリーグ最少と打ち切らないシーンが目立っており、エースが個人技でいかに得点するかが重要です。

トランジションやセカンドチャンスで得点が欲しいラプターズと、ハーフコートを確率良く決めたいブルズ。お互いの狙いは対照的であり、勝負のキーポイントはブルズのエースアタックが決まるかどうか。これはラプターズから見るとエースアタックを止めてボールを奪い取り、速攻に持ち込めるかどうかになります。

シーズン平均が13.5回とターンオーバーが少ないブルズですが、ラプターズとの3試合では19.7回のターンオーバーを喫しており、フィールドゴール成功率が高いにもかかわらず得点を奪えませんでした。

エースのデローザンにマッチアップするのはOG・アヌノビー。いまやリーグ最高のディフェンダーの一人であるアヌノビーは、かつてのチームメートであるデローザンを今シーズンはほぼ完璧に封じ込めています。ブーチェビッチに対してはヤコブ・パートルを中心に層の厚いビッグマンで囲い込めることもあり、ラビーンさえ止めればラプターズの優位は動かないでしょう。言い換えれば、最もマークが緩くなりそうなラビーンの真価が問われる一戦になりそうです。

対照的なロスター構成ながらもフィジカルなディフェンスが持ち味の両チームなので、プレーインらしいバッチバチのハードな戦いになりそうです。ロースコアの展開が予想される中、有無を言わさぬタフショットを沈めていくのはどちらのチームなのか。チーム力としてはラプターズが上ですが、ラビーンがハイスコアでチームを勝たせる展開を予想します。

https://youtu.be/_uEe-hsVcR4