横浜の反撃を浴び、拮抗した展開に
川崎ブレイブサンダースと横浜ビー・コルセアーズによる『神奈川ダービー』の第2戦。ホームの川崎がトランジションオフェンスで横浜を上回り、連勝を飾った。
序盤はともに点を取り合う展開が続き、開始7分で15-15と互角の展開に。だが川崎は徐々に横浜のゾーンディフェンスを攻略し、確実にノーマークを作っていく。ニック・ファジーカスが10得点、藤井祐眞が8得点と取るべき選手が得点することで24-17と先行した。
だが第2クォーターに入ると、マンツーマンに切り替えた横浜ディフェンスの前にターンオーバーを連発し、イージーシュートを落とすなど失速。ディフェンスが機能しリズムが生まれた横浜はオフェンスも活性化。このクォーターで2本の3ポイントシュートを含む10得点を挙げた細谷将司の活躍もあり、一時逆転に成功する。
課題であるセカンドユニットの時間帯に反撃された川崎だったが、それでもファジーカスと藤井をコートに戻し再び、リードして前半を折り返した。
後半に入ると、川崎のトランジションオフェンスが炸裂する。ゾーンディフェンスで横浜に攻めどころをつかませず、リバウンドからのボールをプッシュでチャンスを作り出した。
17-0のビッグランで勝利を手繰り寄せる
攻守が噛み合い完全にリズムをつかんだ川崎は、篠山竜青やバーノン・マクリンが次々と速攻から加点。前半は0だった速攻からの得点が、このクォーターだけで8を記録するなど、約5分半で17-0のビッグランを作り上げた。
また横浜は残り4分を切った場面でプリンス・イベが4つ目のファウルを犯し、チームファウルも5に到達し、激しいディフェンスができなくなった。前半で2ブロックを記録するなど、ディフェンス面で大きく貢献していたイベのファウルトラブルは横浜にとっては痛手だった。
試合後、横浜の指揮官トーマス・ウィスマンも「前半はトランジションのディフェンスができていたが、第3クォーターで12点もトランジションからやられてしまった。そこで川崎さんに取り残されてしまった」と敗因を語る。
川崎が16点をリードして迎えた最終クォーター序盤、川崎はファジーカス、マクリン、シェーン・エドワーズのビッグラインナップを試すが機能せず、細谷の連続バスケット・カウントや高島一貴のミドルシュートで点差を詰められる。開始3分で10点差まで詰め寄られた川崎だったが、ファジーカス、マクリンが速攻から得点し、再びトランジションオフェンスで悪い流れを断ち切った。
前日から改善を見せた横浜「良い試合ができた」
その後、勝利をあきらめずアグレッシブにプレーする横浜の前に失点を重ねるも、川崎も6選手が得点するバランスの良いオフェンスを展開した。常に2桁以上のリードを保ち、危なげない試合運びでゲームを締めた川崎が第3クォーターの貯金を生かし、連勝を収めた。
勝利した川崎の北卓也ヘッドコーチは「神奈川ダービーを連勝できて、ホームでの連勝も初めてだと思いますのでうれしいです」と素直に勝利を喜んだ。
また「昨日よりも横浜さんのマンツーマンのプレッシャーが高く、それに選手が少し戸惑った部分はありますが、第3クォーターでリードを奪ってそれをそのままキープできたので、安心して見ていられた」と試合を振り返った。
昨日の試合では40点差の大敗を喫した横浜だが、今日の試合では意地を見せた。ウィスマンヘッドコーチも「選手たちも気持ちが入り、強度も上がって、川崎さんと良い試合ができたと思います」とある程度の手応えは得られた様子。「まだ格上のチームと戦うだけの力が備わっていないですが、チームの底上げを図るためには各個人の力がもっと必要であり、今日の選手たちはそれを示してくれた。正しい方向に1歩進めたと思います」
川崎は初のホームでの連勝を果たし、中地区首位の新潟アルビレックスBBとのゲーム差を1に縮めた。スロースタートとなった今シーズンだが、過密日程とケガ人が相次ぐ状況でも本来の力をコンスタントに発揮できるようになっている。
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