スタッツから読み取る両チームの強みと弱み
この記事を開いてくれたすべての皆様、数字の沼へようこそ。自称『日本一スタッツをとる素人』である私しんたろうが、公式サイトのボックススコア(ベーシックスタッツ)から一歩踏み込んだ、『アドバンスドスタッツ』を紹介、解説していきたいと思う。
今回は、趣向を変えてこれまで紹介したアドバンスドスタッツをもとに、天皇杯決勝を戦う千葉ジェッツと琉球ゴールデンキングスを分析する。
今回利用するスタッツはこちら
※各スタッツの詳細・計算式は紹介記事参照
2FG%=2ポイントシュート決定率
3FG%=3ポイントシュート決定率
FT%=フリースロー決定率
eFG%=フィールドゴールの得点効率 https://basket-count.com/article/detail/124534
TS%=フリースローを含むすべてのシュートの得点効率 https://basket-count.com/article/detail/129289
2PA%=2ポイントシュートを打った割合
3PA%=3ポイントシュートを打った割合 https://basket-count.com/article/detail/140772
FTD%=フリースローを得た攻撃の割合
FBP%=速攻による得点割合
PitP%=ペイントエリア内得点割合 https://basket-count.com/article/detail/130539
OR%=オフェンスリバウンド獲得率 https://basket-count.com/article/detail/137048
DR%=ディフェンスリバウンド獲得率(100 – 相手のオフェンスリバウンド獲得率)
TOV%=ターンオーバーになった攻撃の割合 https://basket-count.com/article/detail/140207
AST%=アシストから得点になった割合 https://basket-count.com/article/detail/136580
AST/TOV=アシストとターンオーバーの比率 https://basket-count.com/article/detail/133669
Possession=攻撃回数
そして、これらのスタッツを2チームで比較したものがこちら。
琉球 | 千葉J | |||
2FG% | 12位 | 52.47% | 1位 | 56.54% |
3FG% | 12位 | 33.37% | 11位 | 33.69% |
FT% | 7位 | 74.90% | 12位 | 73.31% |
eFG% | 11位 | 51.53% | 3位 | 53.77% |
TS% | 7位 | 55.36% | 3位 | 57.04% |
2ptA% | 14位 | 54.55% | 24位 | 46.86% |
3ptA% | 18位 | 34.08% | 1位 | 42.05% |
FTD% | 1位 | 11.36% | 7位 | 11.09% |
FBP% | 22位 | 10.94% | 15位 | 14.06% |
PitP% | 5位 | 47.13% | 24位 | 40.25% |
ORB% | 1位 | 36.8% | 3位 | 35.9% |
DRB% | 1位 | 76.7% | 7位 | 71.4% |
TOV% | 7位 | 18.6% | 23位 | 15.0% |
AST% | 11位 | 56.66% | 24位 | 50.57% |
AST/ TOV | 16位 | 1.70 | 7位 | 1.94 |
POSSESSION | 19位 | 71.93 | 12位 | 73.10 |
琉球はペイントエリアやフリースローからの得点が多く、千葉Jは3ポイントシュートを狙う正反対な戦略を持っていることが各スタッツに表れている。しかし、フィールドゴールの得点効率を示す『efG%』で換算すると千葉Jが大きくリードしていることが分かる。また、千葉Jは2ポイントシュートや、ペイントエリアからの得点割合が低いが、フリースローを多く獲得しているため2ポイントシュートのアテンプトが少ないわけではないと言える(フリースローはシュートに加算されないため)。対する琉球は、ポゼッション数が比較的少なく、千葉Jよりもスローペースのハーフコートバスケットで得点を狙うことが多い。また、アシストから得点になった割合を示す『AST%』で千葉Jと大きく差ができており、琉球の方が得点に直結するパスを出す割合が高いことも読み取れる。
オフェンススタッツを総合的に見ると、千葉Jに優位があるように見える。特に、3ポイントシュートを積極的に狙うチームでありながらも、しっかりとフリースローを獲得している点が強みになっている。反対に琉球がポジティブな点となるのは、やはりオフェンスリバウンドだろう。千葉Jのディフェンスリバウンド獲得率が若干低いため、積極的なリバウンド参加からセカンドチャンスポイントに繋げられると主導権を握ることができそうだ。
ボックススコアだけでは比較が難しかった数字も、アドバンスドスタッツを使うと比べやすくなっていることがお分かりいただけたのではないだろうか。読者の皆様にも、ここに挙がったスタッツとボックススコアを見ながら分析を楽しんでもらいたい。
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