ポイント・イン・ザ・ペイントとは?

この記事を開いてくれたすべての皆様、数字の沼へようこそ。自称『日本一スタッツをとる素人』である私しんたろうが、公式サイトのボックススコア(ベーシックスタッツ)から一歩踏み込んだ、『アドバンスドスタッツ』を紹介、解説していきたいと思う。

今回は、PitP(ポイント・イン・ザ・ペイント)をご紹介しよう。そもそもポイント・イン・ザ・ペイントとは、制限区域内で発生したFGM(フィールドゴール成功数)からチームが獲得した合計ポイント数のことで、すべてのジャンプシュート、フックシュート、レイアップ、ダンクなどが含まれる。ちなみに、制限区域(ペイントエリア)とは、ゴール周辺の区切られている長方形の区域のことだ。この数値が高いチームはペイントエリアを攻略しているチームと言われているが、数値を見る上で重要なポイントがいくつか存在する。

ポイント1
攻撃回数が多いため、ポイント・イン・ザ・ペイントが高く見えるチームが存在する
これは文字通りの意味で、100点中20点と、80点中20点では、総得点を占める割合が全く変わってくる。『ペイントを中心に攻めることを戦略としているチーム』なのか、『攻撃回数が多いためポイント・イン・ザ・ペイントが高く見えているチーム』であるのかを他の数字と比較して確かめる必要がある。

ポイント2
速攻が多いため、ポイント・イン・ザ・ペイントが高く見えるチームが存在する
シチュエーションを想像してもらえれば分かると思うが、速攻による得点のほとんどが2ポイントシュート(ポイント・イン・ザ・ペイント)である。そのため、『ハーフコートオフェンスでペイントを攻略できているチーム』なのか、『速攻が多いチーム』なのかを見定める必要がある。

ポイント3
フリースローによる得点はポイント・イン・ザ・ペイントに計上されない。
上の定義にあるように、ペイントエリアで獲得したフリースローはポイント・イン・ザ・ペイントに加算されないというルールが存在する。フリースローを獲得できるシチュエーションは、ペイントエリアでのシュートが多いため、ポイント・イン・ザ・ペイントが低いからと言ってペイントエリアを攻めることができていないと考察することは早計である。

前置きが長くなってしまったが、第6節終了時点のPitPランキングと併せて、私が独自に計算しているPitP%(総得点に対するペイントエリアでの得点割合)ランキングをご紹介しよう。この数値を使うことで、『ポイント1』で紹介した懸念を解決できるだろう。

順位チーム平均PitP順位チームPitP%
1位三遠41.81位滋賀51.33%
2位横浜BC40.52位横浜BC50.74%
3位琉球39.83位三遠50.05%
4位SR渋谷38.94位琉球48.93%
5位名古屋D38.55位富山47.75%
6位群馬38.06位川崎45.33%
7位富山37.27位群馬44.86%
8位北海道36.98位京都44.78%
9位滋賀36.99位大阪44.56%
10位広島35.110位三河44.36%
11位島根34.911位北海道43.79%
12位川崎34.512位FE名古屋43.63%
13位京都33.213位新潟43.61%
14位千葉J33.114位広島43.45%
15位三河32.815位SR渋谷42.92%
16位FE名古屋32.816位信州42.44%
17位大阪32.517位名古屋D42.23%
18位茨城32.118位仙台41.80%
19位秋田31.619位島根41.53%
20位新潟31.420位茨城40.78%
21位A東京30.921位秋田40.30%
22位信州29.522位A東京40.27%
23位仙台29.423位宇都宮38.77%
24位宇都宮27.224位千葉J38.49%
平均34.88平均44.03%

気になるチームは滋賀・名古屋D・SR渋谷だ。まず滋賀は、PitP%が高いが平均PitPは低くなっている。これは、3ポイントシュートの試投数は多いがそこまで高い決定率ではないため相対的に高くなっている。逆に平均PitPが高い名古屋Dは、3ポイントシュートも多く決めているためPitP%が低い。また、SR渋谷はフリースローを獲得するポゼッションが多いため、平均PitPのランキングは高いがPitP%は低くなっている。