福岡第一の轟琉維が率いる『Team FUKUOKA』が優勝に輝く
2月26日、日本と世界のストリートボールを繋ぐクリエイティブ集団である『SpaceBall Mag』が主催の『Future Bound Classic 2023(FBC)』が開催された。
『FBC』とは、マイケル・ジョーダン、マジック・ジョンソン、レブロン・ジェームズなどNBAを代表するスター選手たちが高校時代に出場した『McDonald’s All American Games』からインスピレーションを得た大会。今年で7回目となる今大会は、全国各地の高校バスケ界を代表する選手たちが地域別にチームを結成し、8チームがノックアウトトーナメント方式で頂点を争った。また、試合以外にもダンクコンテストや、今大会の選抜チームと海外出身選手と日本人選手が所属する『TOKYO SAMURAI』が激突する『ALL STAR GAME』が行われた。
トーナメントは前後半15分で行われた。1回戦の『Team CHIBA』戦でムスタファ・ンバアイ(福岡第一)が、セミファイナルの『Team SAITAMA』戦では轟琉維(福岡第一)がそれぞれ決勝点を決めた『Team FUKUOKA』と、ポイントガードの石川裕大(帝京)を筆頭に個人技で得点を重ねた『Team TOKYO』が決勝に駒を進めた。
また、決勝前に『TOKYO SAMURAI』と今大会の選抜メンバーで構成された『CSPark ALL STARS』が戦う『ALL STAR GAME』が行われた。『CSPark ALL STARS』には、トーナメントで敗れたチームの選手が出場し、『Team SAITAMA』からルーニー慧(正智深谷)や中川知定真(東海大学附属諏訪)、『Team YAMANASHI』から小澤飛悠(中部大学第一)など昨年のウインターカップで活躍した選手が名を連ねた。試合は、高さで勝る『TOKYO SAMURAI』に対して『CSPark ALL STARS』が個人技で上回り前半を38-23とリードすると、後半には中川のフィジカルを生かしたバスケット・カウントなども飛び出して、68-55で勝利した。
いよいよメインとなる今大会の決勝では、『Team TOKYO』が今大会絶好調の石川の連続3ポイントシュートで先制すると、『Team FUKUOKA』も轟の3ポイントシュートで対抗。また、1回戦からインサイドで存在感を発揮していたムスタファが高さを生かした堅守を見せて『Team FUKUOKA』にリードを与える。前半終盤にも、石川が決めれば轟も決め返し、『Team FUKUOKA』が21-20とわずかに上回って試合を折り返す。
後半が始まると、前半に積極的な姿勢を見せていた『Team FUKUOKA』の城戸賢心(福岡第一)がドライブで相手のファウルを誘発し、フリースローで得点すると、轟の3ポイントシュートも決まって2ポゼッションリードする。そして残り40秒に、轟が相手ディフェンスを翻弄する巧みなドリブルからレイアップに持ち込み勝負あり。『Team FUKUOKA』が48-42で勝利し、優勝を手にした。
大会を通じて積極的な姿勢を見せてチームを優勝に導いた城戸が今大会のMVPに輝いた。城戸は「ウインターカップで負けて悔しい思いがあった中、このような機会を与えてくださってありがとうございました。これまでみんなに助けられてきたので、大学ではルーキーらしく泥臭く自分を貫くので、応援よろしくお願いします」と、この日集まった観客の前で次のステージに向けて意気込んだ。
また、決勝戦の前半終了後に行われたダンクコンテストは、『TOKYO SAMURAI』を含む今大会の出場チームから8名がエントリー。コンテストの審査員には、アルバルク東京から『アディダスアスリート』のセバスチャン・サイズ、アレックス・カーク、小酒部泰暉、ザック・バランスキー、サンロッカーズ渋谷から小島元基が登場。また、女子ワールドカップ2022で金メダルを獲得したアメリカ代表のベトニヤ・レイニーや、バスケTikTokerのクリスも審査員に名を連ねた。人越えダンクやアリウープなど、高校生離れした豪快なダンクが飛び交う中、優勝は3度の100点満点を叩き出し、ムスタファとの決勝を制した『TOKYO SAMURAI』の伊久江ロイ英輝に決定した。
無事に大会を終えた責任者のBANG LEE氏は、7回目の今大会を次のように振り返った。「久しぶりに観客の前でやれて、今の代は(コロナの影響で)お客さんの前でプレーをする機会が少なかったので良い機会になったのかなと。将来、Bリーガーを目指すからには、面白いとお客さんに思わせるプレーができることは大切だと思います。これまでこういった経験がなかった選手には今日をきっかけにして頑張ってもらいたいですね」