ドウェイン・デッドモン

出場機会の少なさに不満を爆発させる「受け入れられない行為だ」

ヒートはドウェイン・デッドモンと2028年の2巡目指名権を金銭とのトレードでスパーズに譲渡した。

デッドモンはNBAキャリア10年目、33歳のベテラン。これまで多くのチームを渡り歩いてきたが、ヒートでは3年目のシーズンを迎えていた。ただしヒートにはバム・アデバヨという絶対的なセンターがいて、デッドモンの立場はあくまでバックアップ。プレータイムは1年目が13.1分、2年目が15.9分で、3年目の今シーズンは11.7分にまで減少していた。

そのデッドモンは今年に入ってすぐにトラブルを起こしていた。現地1月10日のサンダー戦、いつものように途中出場した彼は、約5分プレーしたところでベンチに下げられた。この際にコーチ陣と口論してベンチで使うマッサージ器具を殴り、それがコートの中に入ったために退場処分を受けている。

指揮官のエリック・スポールストラから「受け入れられない行為だ」と非難され、クラブから1試合の出場停止を科された。デッドモンは限られたプレータイムではあっても多くの試合に出場していたが、その後の1カ月で出場したのは1試合のみで、完全にローテーションから外れていた。

スパーズは、ヘッドコーチのグレッグ・ポポビッチが「トレードデッドラインがいつなのかも知らない」とこのタイミングでの補強を否定していたが、誰も放出することなくデッドモンの契約を引き受けた。デッドモンは2016-17シーズンにスパーズでプレーしているが、今の再建中のチームで役割を見付けるのはかなり厳しそうだ。

ポポビッチは先日、トレードについて持論をこう語っている。「チーム内でトレードの話はしていない。私は選手をトレードに出す場合、交渉段階でも本人にそれを伝えて、意見を聞く。その選手がまともな人間で、組織を傷付けるようなことがなければ、できる限り希望をかなえてあげたい」

ヒートは今回のトレードでロスタースポットに空きを作り、デッドモンの2年900万ドル(約12億円)のサラリーから解放される。2月9日のトレードデッドラインまでに、デッドモンに代わるバックアップのセンターを獲得するだろう。一方でスパーズは、もう補強に動くことなくトレードデッドラインを迎えるはずだ。