琉球ゴールデンキングス

チームオフェンスが機能し、平均を大きく上回る33アシストを記録

琉球ゴールデンキングスがホームに富山グラウジーズを迎えた一戦は、インサイドのアドバンテージを最大限に生かした琉球が終始主導権を握り、105-81の完勝を収めた。

富山はジョシュア・スミスとブライス・ジョンソンの両ビッグマンが長期離脱となり、外国籍選手がコーディ・デンプスとノヴァー・ガドソンの2人のみと苦しい台所事情。インサイドの強みを生かせなくなったことでペースアップとアウトサイドシュートを軸としたスタイルに活路を見出し、ガドソンが2本連続で3ポイントシュートを沈めるシーンもあったが、崩し切れずに単発となってしまう。

一方の琉球はジャック・クーリーが第1クォーターだけでセカンドチャンスからの6得点を含む12得点を挙げたように、ペイントエリアを完全に支配。ダブルチームを仕掛けられてもゴール下に固執せず、空いているチームメートにパスを供給してはオフェンス優位な状況を作り出した。序盤はタッチに苦しんだもののコー・フリッピン、松脇が3ポイントシュートを射抜き、26-16といきなり2桁のリードを奪った。

第2クォーターに入っても流れは変わらない。インサイドを起点とする琉球はさらにボールムーブが良化し、リズム良く放つシュートが次々とゴールに吸い込まれていく。富山の高岡大輔ヘッドコーチ代行が「インサイドのアドバンテージがない状況でどうアジャストするかを挑んだ試合でしたが、インサイドからのキックアウトで琉球さんに的確にショットを決められたことでタフな状況になりました」と試合後に語ったように、牧隼利の2本を筆頭に8本中5本の3ポイントシュートを成功させた琉球がリードを広げていく。また、ゾーンを併用するチェンジングディフェンスに対してもアジャストし、外一辺倒にならずに確実にインサイドでもスコアしていったことで、守りどころを絞らせなかった。

終盤に連続ターンオーバーから速攻を受けるシーンもあったが、岸本隆一の3ポイントシュート、アレン・ダーラムの3点プレーで締め54-36で前半を終えた。大量リードを得ても琉球の集中力は落ちない。ベンチメンバーもそれぞれの役割を果たし、タイムシェアをしたことで高いディフェンス強度を保つと、引き続き内外バランスの良いオフェンスを展開した。そして、第3クォーター残り3分、今村佳太が自身のスティールから3ポイントシュートを射抜きリードを30に拡大して勝利を決定づけた。

最終スコアは105-81。相手の弱点をしっかりと突いての完勝に、桶谷大ヘッドコーチも試合内容に満足した。「終始、誰が出てもリズムを相手に渡すことなく、自分たちのペースで試合ができたと思います。ゾーンに対してどこにアドバンテージがあるか、みんなの判断も早かったですし、ボールがすごく流れていました。タイムアウトを取ったのも一回で、非常に良いバスケットができました」

12人全員が9分以上のプレータイムを得て、アシストは平均を大きく上回る33本を記録。まさにチームの地力の高さを証明する一戦となった。なお、インジュアリーリストから外れエントリーが完了した渡邉飛勇は、ロスター入りせずに未出場だった。