ジョナサン・アイザック

「ここまで来るのにかかった時間を考えると、本当に長い道のりだった」

現地1月23日、マジックがリーグ首位を走るセルティックスと対戦。膝の故障に苦しみ約2年半ぶりのNBA復帰となったジョナサン・アイザックの記念すべき試合で113-98と快勝し、セルティックスの連勝を9で止める番狂わせを起こした。

第1クォーター、マジックはパオロ・バンケロの連続得点などで11-3のランに成功すると、残り7分にはアイザックがコロナ禍によるバブル開催が行われた2020年8月2日以来初めてNBAのコートに立った。アイザックは40秒後に早くも得点を決めてチームに勢いを与えると、マジックが30-23と先手を取った。

第2クォーターに入ると、セルティックスの2枚看板であるジェイソン・テイタム、ジェイレン・ブラウンに合わせて21得点を許して互角の展開で前半を終える。しかし、後半に入ると、マジックはこのクォーターだけで4つのスティールを奪い、計6つのターンオーバーを誘発させるなど守備で流れを引き寄せリードを9点に広げる。その後、第4クォーター残り6分半にはテイタムの得点で2点差に詰め寄られるが、この正念場でフランツ・バグナーの3ポイントシュート、マーケル・フルツのドライブなどで10-0のランを繰り出して突き放すことに成功。最後までディフェンスの集中力を切らさず、リーグ最高勝率の難敵から価値ある勝利を挙げた。

今日の主役であるアイザックは、10分間の出場で10得点3リバウンド2スティールを記録。長いブランクを感じさないインパクトを与えた25歳は次のように試合を振り返った。「ここまで来るのにかかった時間を考えると、本当に長い道のりだった。良い日も悪い日もあって、山あり谷ありの日々の中、いつも僕を支えてくれていたトレーナー、コーチ陣、家族、教会の関係者などみんなの支えで復帰できた。もちろんアドレナリンが出ていたので、地に足をつけてベストを尽くそうとした。ずっと僕に寄り添ってくれたマジックとファンの多くの愛のおかげで、こういった感情がコートに立った瞬間は一つになっていた。非現実的な感覚だったよ」

アイザックが戦列を離れている間、マジックは世代交代を断行しロスターは大きく変わった。だが、自身がリハビリで苦しい日々を過ごす中でもアイザックはコート外での献身的なサポートを続け、チーム在籍年数が少ない若手選手とも強い絆を築いている。バンケロはこう語る。「ドラフトされた後、ジョナサンは僕にすぐに連絡をくれた一人だった。彼はロッカールームのリーダーでみんなにポジティブな声がけをしてくれている。長い欠場を経て彼がコートに立ち、ファンから歓迎されている。そして、得点を決めスティールも奪う姿を見られたのは最高だよ」

チーム全員から愛されているアイザックの復帰戦を勝利で飾れたことで、マジックの士気は大きく高まることは間違いない。ここからの巻き返しが楽しみになる1勝となった。