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グリズリーズとの1回戦では平均得点16.5点だったオルドリッジが38得点と大暴れ。

西カンファレンス準決勝、スパーズとサンダーの第1戦。攻のサンダーと守のスパーズという構図は最初の12分で完全に消えた。第1クォーター終盤でスパーズが40-20とダブルスコアの大量リード。さらにはエマニュエル・ジノビリの3ポイントシュートで締めた。

この第1クォーターでのフィールドゴール率は実に82%で、うち4本中3本の3ポイントシュートを決めている。さらには6ブロックでサンダーの勢いを封じてもいる。

さらには第2クォーターも30-20、第3クォーターも32-26と、サンダーの自信を喪失させるに十分なダメージを与え、第4クォーター開始時点で105-66と圧倒的大差を付けて試合を決めてしまった。結果、第3クォーター終盤以降は両チームとも主力選手が誰もコートにいない奇妙な展開となった。

この試合のヒーローとなったのはラマーカス・オルドリッジ。フィールドゴール23本中18本を決め、6リバウンド1アシスト。パスを受けてから流れるようなフォームで瞬時に放つミドルレンジからのシュートが決まりに決まり、ドライブからのレイアップも織り交ぜてサンダー守備陣を翻弄。グリズリーズとのプレーオフ1回戦の4試合での平均得点は16.5だった選手が38得点の荒稼ぎ、プレーオフ1回戦どころかレギュラーシーズンの74試合で1本も成功させていない3ポイントシュートまで1つ決めている。まさに神がかり的なパフォーマンスだ。

エースのクワイ・レナードも25得点。彼としては突出した数字ではないように思うかもしれないが、ラッセル・ウェストブルックをマークして完璧に抑えた上でのこの数字だ。オルドリッジとレナードの2人が前半だけで45点を奪った時点で、勝敗はほぼ決したようなものだった。トニー・パーカーはゲームハイの12アシスト。ダニー・グリーンはケビン・デュラントを相手に素晴らしいディフェンスを見せながら5本の3ポイントシュートを含む18得点をマーク。とにかく全員がシーズンベストと呼ぶべき出来だった。

一方のサンダーはデュラントとウェストブルックの二枚看板がスパーズの守備に封殺された。特に第1クォーターはデュラントは6点、ウェストブルックに至っては無得点で、スパーズに圧倒される要因となってしまった。

西カンファレンスの2位と3位、レギュラーシーズンの直接対決は2勝2敗のイーブン。サンダーは勝ち抜く可能性を信じてAT&Tセンターに乗り込んだはずだが、実力差を見せ付けられた形だ。サンダーが勝ち抜くためのポイントは敵地でいかにして1勝を挙げるかだが、初戦でその難しさを痛感させられた。第2戦は中1日を置いて5月2日に、再びAT&Tセンターで行われる。サンダーにとっては早くも正念場がやって来ることになる。