試合序盤に8-0のラン、オーバータイムに9-0のランに成功して連敗をストップ

1月21日、サンロッカーズ渋谷と三遠ネオフェニックスが対戦した。コンディション不良の4選手に加えて、第1戦に左足首を負傷した田渡修人を欠くSR渋谷が試合開始からアクセル全開で連続得点に成功しリードすると、第4クォーターに一時逆転を許しながらもゲームハイの29得点を記録したジェームズ・マイケル・マカドゥを軸に粘り強く戦い、103-93でオーバータイムにもつれる激戦を制した。

試合序盤の主導権を握ったのはホームのSR渋谷だった。「3ポイントシュートを警戒されている中で、違う得点の取り方を日ごろから練習していました。ポストプレーに切り替えて自分の強みを発揮できたと思います」と話すチームのトップスコアラーのケビン・ジョーンズがアイゼイア・ヒックスとの1on1を制してインサイドから最初の得点に成功すると、ディフェンスでは三遠のドライブに対してヘルプディフェンスを仕掛けて簡単にリングを向かせない。また、ディナイディフェンスを厳しくしたことでターンオーバーを誘発させ、マカドゥの豪快なダンクに繋げるなど攻守が連動し、開始2分で8-0のランに成功する。クォーター中盤に第1戦で19得点17リバウンドとゴール下を支配したカイル・オクインのインサイドプレーに苦戦してリードを5点まで戻されるも、10分間を通してファストブレイクやマカドゥのインサイドプレーで三遠を上回り、23-17で第1クォーターを終える。

第2クォーター、途中出場の金丸晃輔のドライブやオクインのインサイドプレーに手を焼き、開始2分強に1ポゼッション差まで迫られてしまうが、ピックプレーからフリーとなったベンドラメ礼生が2本の3ポイントシュートを沈めるなど、このクォーターだけで7本中5本と高確率で3ポイントシュートを成功させたことでSR渋谷がリードを7点まで広げて試合を折り返した。

後半に入ると、大黒柱のライアン・ケリーが欠場したことで手薄となったSR渋谷のインサイドに対して、三遠がオクインやアイゼイア・ヒックスを中心にアタックを繰り返したことで残り5分に3点までビハインドを縮める。また、前半に3ポイントシュートを2本成功していた細川一輝を中心とした長距離砲で少しずつ迫ると、前半は0得点だったセカンドチャンスからの得点も生まれて第4クォーター開始2分半で遂に逆転に成功する。

この試合で初のビハインドを背負ったSR渋谷だが、ジョーンズとマカドゥの個人技で得点を繋いで2ポゼッション以上の差を許さない。三遠が2点リードで迎えたオフィシャルタイムアウト明け、ジョーンズのキックアウトから小島元基が3ポイントシュートを決めると、ディフェンスリバウンドからマカドゥの速攻も飛び出して残り2分半に同点となる。

その後膠着状態が続き同点で迎えた残り5秒、SR渋谷のベンドラメが勝ち越しの3ポイントシュートを狙うもリングに嫌われ、オーバータイムへ突入した。

延長に入ってもディフェンスのプレッシャーを落とさないSR渋谷が堅守から相手のターンオーバーを誘発すると、続くオフェンスでマカドゥがセカンドチャンスをモノにして勝ち越しに成功する。さらに、トランジションでコーナーまで広がったジョーンズがオクインのファウルを誘って3本のフリースローを獲得。そのうち2本を沈めてリードを拡大すると、再びマカドゥがペイントエリアから得点するなど、試合序盤のランを超える9-0のランで勝利した。

ロスターが8名と苦しい状況ながら、総リバウンドは41-40、ペイントエリアの得点は42-48とインサイドで互角に渡り合い、連敗を4でストップさせたSR渋谷の浜中謙ヘッドコーチは次のように選手たちを称えた。「素晴らしいゲームでした。どんな形でも良いから勝とうと選手全員が思っていて、リバウンドではアグレッシブに、オフェンスも受け身にならずにプレーしてくれました。リバウンドゲームで負けなかったのは結果以上に素晴らしかったです」

また、三遠の大野篤史ヘッドコーチは16-6と突き放されたオーバータイムについてこう悔やんだ。「オーバータイムに入っちゃいけない試合だったと思います。自分たちのシュートが落ちたことにフォーカスしてしまい、相手にブレイクを出されてしまいました。ゲームの締め方がまだまだだなと。これを学びにして次に繋げていきたいと思います」