トム・ホーバス

2022年を戦った男子日本代表のチームルールやコーチングフィロソフィーを公開

1月14日、第8回JBAコーチカンファレンスがオンラインで実施された。技術委員会の東野智弥技術委員長、男子日本代表のトム・ホーバスヘッドコーチ、女子日本代表の鈴木良和アシスタントコーチの3名が登壇し、定員の900名に近い参加者へ講義と質疑応答を実施した。

ホーバスヘッドコーチは『男子日本代表の活動の振り返りと2023年ワールドカップに向けて』と題して、2022年のワールドカップ予選とアジアカップを振り返りながら、男子日本代表のチームコンセプトや自身のコーチングフィソロフィーを語った。

最初に、2022年での日本代表について次のように総括した。「まずはチームを作って、各windowを違うメンバーで戦いました。(敗れてしまった)オーストラリア戦が終わってからも選手たちは下を向かず、チームのスタイルに迷わずプレーしてくれました。windowごとに若い選手を中心にステップアップしてくれていましたし、これからもっと強くなると思います」

そして、ホーバスヘッドコーチが男子日本代表で掲げるチームコンセプトを明かした。すべてのプレーにおいてファンダメンタルが重要と定義した上で、オフェンスでは、5アウトやスペース&ペース、ボールと選手のムーブメント、トランジションアタックなどホーバスジャパンがアジアに見せつけた攻撃力を象徴するプレーが並んだ。リバウンドについては、システムを大きく変更させて相手のトランジションオフェンスを止めるための動き方やスペースの使い方などを代表の試合映像を使いながら解説した。また、アジアカップやワールドカップ予選のスタッツやアナリティクスを公開し、各試合でチームルールに沿った戦い方ができていたかを数字を見ながら説明する時間も設けられた。

後半では、ホーバスヘッドコーチが考えるコーチングフィロソフィーを発表。チームで目指すゴールの設定や、選手それぞれの役割、毎日チャレンジし続けることなど7つの定義からチームを作ったと参加したコーチたちに熱弁した。

質疑応答では、技術的な質問からチームが一体感を持つために考えていることなど育成世代のコーチたちの悩みや疑問にホーバスヘッドコーチが答え、「ファンダメンタルの積み重ねが大切なのはすべてのカテゴリーでも不可欠なことが再確認できて良かったです」や「個々の役割の重要性やチームルールのイメージ共有などとても参考になりました」などと言った声がチャットを通して出ていた。

最後に、ホーバスヘッドコーチはこの日集まったコーチたちに次のコメントを残した。「ワールドカップまでそこまで時間はありませんが、自信はあります。中高生の選手たちがウチのバスケを見て『できそう』って思ってほしい。少しずつ真似ができたり、高校生でもできるようなチームバスケやペイントアタックなどで勝っていきたいと考えています。みんなで一緒に頑張りましょう!」