宇都宮ブレックス

土壇場で追いつかれるも、比江島のフリースローで逃げ切り

宇都宮ブレックスvs名古屋ダイヤモンドドルフィンズの第1戦は、1点を争う激戦となった。

名古屋Dはリーディングスコアラーのコティ・クラークがコンディショニング不良のため欠場となったが、齋藤拓実のプッシュから2本の速攻を成功させ、内外バランスの良いオフェンスを展開するなどリーグ屈指の得点力は落ちなかった。

一方の宇都宮は遠藤祐亮が2本の3ポイントシュートを含む8得点を序盤で挙げ、途中出場の荒谷裕秀が連続でドライブを決め切って対抗。オフェンスリバウンドを5本奪われ、セカンドチャンスポイントで下回ったことで19-22で第1クォーターを終えた。

第2クォーターに入ると、名古屋Dのチェンジングディフェンスに苦戦。ウイングスパンが長く機動力もあるモリス・ンドゥールのダブルチームから逃れられず、連続でターンオーバーから失点し、一時7点のビハインドを背負った。それでも、しっかりとボールを回してゾーンを揺さぶり、比江島慎と遠藤が3ポイントシュートを決めて反撃すると、ジョシュ・スコットがパワープレーでスコアし、32-31と逆転したところでオフィシャルタイムアウトを迎えた。その後は拮抗した展開となったが、齋藤に個で打開され、連続でタフショットを決められたことにより36-40で試合を折り返した。

後半立ち上がり、齋藤のピンポイントパスが冴え、連続でインサイドで失点し、最大9点のビハインドを背負った。それでも宇都宮も流れの中から抜群のタイミングでアイザック・フォトゥにパスを通し、ペイントエリアで加点して反撃。そこから一進一退の攻防が続き、高島紳司の3ポイントシュートで締めた宇都宮が2点リードで最終クォーターを迎えた。

その後も拮抗した展開が続いたが、残り1分34秒に鵤誠司が値千金の3ポイントシュートを沈めて、この日最大となる5点のリードを奪う。このまま宇都宮が押し切るかに思われたが、残り8秒にスコット・エサトンにチームハイとなる17得点目を奪われ、同点に追いつかれた。それでも宇都宮は動じなかった。しっかりと時計を進めつつ比江島にボールを託すと、ドライブからフィニッシュまで持ち込み、残り1秒でンドゥールのファウルを誘発。これで得たフリースローを1本成功させ、80-79で死闘を制した。

名古屋Dのショーン・デニスヘッドコーチは「簡単に言えば、相手の3ポイントシュートがよく入り、ウチが入らなかった。チャンピオンシップチームは大事な時に決めることができる。そこが一番の違いでした」と、21本中12本(57.1%)と高確率で決められた3ポイントシュートの差を敗因に挙げた。それでも、クラークがいない中でも得意の形を存分に出し、宇都宮をあと一歩まで追い詰めたチームに自信をのぞかせた。

「90点は取れたはずでした。オープンショットは打てていたので、選手たちは入れなければいけなかった。ターンオーバーからの得点で17-7、セカンドチャンスポイントで20-7、ポゼッションゲームでは勝てていて正しくプレーできたと思う。今やっていることを信じてやっていかなければいけない」