千葉Jのトランジションオフェンスを信州が封じられるか
天皇杯のクォーターファイナル(準々決勝)の2試合が本日に開催される。このクォーターファイナルを勝ち上がった2チームと、昨シーズンのBリーグチャンピオンの宇都宮ブレックス、準優勝の琉球ゴールデンキングスを加えた4チームによるセミファイナル(準決勝)が2月に行われ、3月12日にファイナル(決勝)が行われる。
千葉ジェッツ(22勝4敗/東1位)vs信州ブレイブウォリアーズ(13勝13敗/中3位)
現在、リーグ最高勝率を誇る千葉J。直近の10試合は9勝1敗と好調で、攻守ともに高水準のバスケを展開し現在8連勝中。ジョン・ムーニーが欠場する試合もあったが、インサイドの外国籍選手を起用しないスモールラインナップを駆使する時間帯もあり、選手層の厚さを感じさせた。特にチームディフェンスが機能して、この連勝中は全試合でターンオーバーからの得点が相手を上回っており、良いディフェンスからオフェンスに繋げられている。もちろんオフェンスも好調であり、クリストファー・スミスは直近10試合すべてで2桁得点を記録し、群馬戦では40得点の大爆発も見せて大勝に貢献した。歯車がすべて噛み合い、チームとして上昇気流に乗っているような状態だ。一方の信州は12月頭からチームB1連勝記録となる6連勝を飾り、直近の10試合で7勝3敗と白星が先行している。しかし、第13節の島根スサノオマジック戦からアンソニー・マクヘンリーが戦線離脱。生原秀将も欠場が続いており、チームとして万全ではない状態が続いている。しかし、光明も見られ、日本人エースの岡田侑大は直近の10試合で平均18.3得点と大活躍。さらに11月末に加入したウィリアム・モズリーもチームにフィットしてきており、マクヘンリー欠場の穴を攻守に渡ってしっかりとカバーできている。ハイスコアで勝利する試合も見受けられるが、直近10試合中に勝利した7試合中6試合は相手を60点代に抑えている。信州としてはスローペースの我慢の展開は望むところだろう。ポイントは信州のディフェンスがどれだけ千葉Jのオフェンスを食い止めることができるか。良い形でオフェンスを終えて、千葉Jのトランジションを封じたいところだ。千葉Jは的を絞らせないオフェンスを展開してインサイドでもアウトサイドでも着実に得点していきたい。引き締まった好ゲームが期待できる。
群馬のディフェンス力、 横浜BCのオフェンス力が試される一戦に
群馬クレインサンダーズ(14勝10敗/東3位)vs横浜ビー・コルセアーズ(15勝11敗/中2位)
直前の週末に行われた第15節では1勝1敗だったカード。第1戦は横浜BCの良いところが見られたが、第2戦は群馬が反省を生かしてやり返したカードだっただけに、続けての対戦となるこの試合は注目だ。群馬の直近10試合は、新型コロナウイルス感染症陽性判定でチーム活動が休止になった影響もあり4勝6敗と負け越し。特に目立つのが失点の多さであり、この10試合で80失点以下に抑えられたのは2試合のみ。シーズン序盤は低く抑えられていたターンオーバーが多くなってしまう試合も見られる。特に横浜BCとの第1戦では16つのターンオーバーから30失点に繋がっただけに、二の舞にならないように注意したい。3ポイントシュートの成功率が良い試合も増えたきたが、やはり生命線は2ポイントシュート。ペイントをしっかりと攻めての得点や、ファストブレイクでの得点など確率の高いシュートを量産していきたいところだ。一方の横浜BCは直近10試合を7勝3敗と勝ち越し。この10試合中、勝った試合はすべて80得点以上で、負けた試合は75得点以下とオフェンスの良し悪しが勝敗を左右している。特に負けた3試合では3ポイントシュートの成功率が10%台中盤となっているだけに、いかに良いクリエイトをして打てるかが鍵となる。オフェンスに目が行きがちではあるが、今シーズンの横浜BCはディフェンスのレーティングがリーグ6番目に良いチームである。安定的なディフェンスをベースにした上で、しっかりとオフェンシブな試合でも勝てるのが今シーズンの強さだ。群馬もトランジションを意識してくるため、走り合いでも負けない横浜BCはしっかりと守って良い攻撃に繋げたいところ。攻守の展開が目まぐるしい好ゲームを期待したいが、速い展開の中でも緻密さが問われるゲームとなるだろう。オフェンス力のある群馬のディフェンス力が試されて、ディフェンス力のある横浜BCのオフェンス力が試される一戦に。