アルバルク定点観測Vol.6 Bリーグ王者のプライドを胸に、日本代表と天皇杯へ

2018/11/26
Bリーグ&国内
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アルバルク東京

文・写真=泉誠一

1勝1敗、足踏み状態が続いた11月のアルバルク東京

アウェーでの川崎ブレイブサンダースと琉球ゴールデンキングスに1勝1敗。2週間ぶりにホームに戻って来た京都ハンナリーズ戦も1勝1敗と足踏み状態のアルバルク東京。11月は4勝5敗と負け越して通算12勝7敗で東地区3位、波に乗れない状況が続いている。それでも11月最後、ワールドカップ予選のために中断される前のラストゲームを85-82で京都に勝ちきったことをポジティブに捉えたルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチは「大事な試合を最後まで粘り、良く勝ちきってくれた」と選手たちを労っている。

『インテンシティ』(強度)や『アグレッシブ』(積極性)を常に求めるA東京であるにもかかわらず、負けた試合はその部分で相手に上回れてしまうことが多い。今節の初戦は、強気で試合に入った京都に31-50と引き離され、「前半がすべて。試合の入りでの準備不足」を敗因として挙げた。アレックス・カークはその敗戦を踏まえ、「試合への入り方に対する意識を変えたことで主導権を握ることができた」と翌日の試合でのリベンジを語る。

チャンピオンチームに対し、相手の闘争心は昨シーズンとは比較にはならない。実際、「フィジカル面での当たりも厳しくなっている」とカークは感じている。それでも同じ過ちを繰り返すことなく、王者のメンタリティで勝ち進まねばならない。

外国籍選手を3人登録するA東京は、ジャワッド・ウィリアムズとミルコ・ビエリツァを交互に起用する。しかし、カークだけは1試合を欠場しただけでスタメンで起用されるハードワーカーだ。「試合に出ていることで良いコンディションをキープできているけど、やっぱり厳しい試合になると疲労はたまってくる。でも、強度の高い練習ができており、今後も良い調整をしながらシーズンを乗り越えていきたい」とチームを支える大黒柱である。

アルバルク東京

残ったメンバーで全力を尽くす、今週末の天皇杯

タレント軍団のA東京からは3人の日本代表候補が選出されている。まもなくやって来るワールドカップ予選では、日本をホーム2連勝に導く活躍に期待したい。リーグ戦は中断されるが、アーリーカップに続く2冠目を目指す天皇杯2次ラウンドが今週末に行われる。A東京は愛媛県で試合が行われ、初戦の相手は徳山大学。勝ち進むとBリーグクラブとの対戦が控えている。隣の山にいる富山グラウジーズとライジングゼファーフクオカは、いずれも今シーズン初対戦となる。

元日本代表ヘッドコーチでもあるパヴィチェヴィッチヘッドコーチは、ワールドカップ予選へ向けて快く選手を送り出す一方で、「天皇杯は栄誉あるビッグトーナメントであり、願わくばフルメンバーで戦いたい」というのが本音である。それは各クラブのエースを送り出すヘッドコーチたちにとっても同じ悩みだろう。

A東京のロスターは12人。そのうち外国籍選手を3人登録しており、オン・ザ・コート2となる試合当日は8人で戦わなければならない。ファウルトラブルやケガなど不測の事態に陥れば、さらに手駒が減ってしまう。昨年は京都に敗れ、ファイナルラウンドが行われるさいたまスーパーアリーナへ進むことはできなかった。

アルバルク東京

田中大貴「仲間を信じています」

カーク以外に平均2桁得点を挙げている田中大貴と馬場雄大、そして平均7リバウンドでインサイドの要となる竹内譲次の3人の戦力を失うのが痛手となるのは明白である。少なからず不満もあるパヴィチェヴィッチヘッドコーチだが、「残った選手とともに全力を尽くして次のラウンドに駒を進めるしかない」と、次なる目標へ照準を合わせ、準備に取りかかる。

カークも大黒柱として、「一発勝負のトーナメントなので、1試合ずつを全力で戦い、次のラウンドに進むためにも勝利を得なければならない」と覚悟を決めて臨む。

「できることならばこのようなスケジュールにならないでほしい。バスケ選手としてキャリアを送る中で、天皇杯を優勝できるチャンスもそうそうあるものではないし、そのチャンスに対して出場できないのはどうかな、と思う部分もあります」という田中大貴は、日本代表戦のためにA東京として一緒に戦えない苦しさを感じていた。「でも、日本代表も大事であり、仕方ない部分もある。昨年は自分たち3人がいない中で負けてしまい、一番悔しい思いをしたのはその場にいた選手たち。仲間を信じていますし、今年は勝ち上がってくれると思っています」。それぞれの舞台でA東京のプライドを胸に、結果をつかんでいくしかない。