チームハイに並ぶ23得点で福岡第一を牽引「やってやろうという気持ちになりました」

ウインターカップ6日目となった12月28日、男子準決勝で福岡第一と中部大学第一が対戦した。

試合はここまで高いプレッシャーディフェンスから試合の主導権を握ってきたチーム同士の一歩も譲らない展開が続き、前半を終えて32-32の同点となる。しかし、第3クォーターに入ると、前半に11得点をマークしていた福岡第一の城戸賢心が3ポイントシュートや自身のスティールからのバスケット・カウントを含む9得点でチームに勢いを与え、2桁のリードをもたらすと、その後は一度もリードを許すことなく、76-64で福岡第一が決勝へ進出した。

第3クォーターの活躍を筆頭にチームハイ(タイ)の23得点を記録した城戸は次のように試合を振り返る。「(轟)琉維さんの得点が止まってしまって、やってやろうという気持ちになりました。点差を縮められてしまう場面もあったんですけど、もう一度巻き返すことができて、すごく良いゲームでした」

城戸が話すようにエースガードの轟は前半のシュートタッチが悪く、第2クォーター終了時点でフィールドゴール成功率25.0%で7得点に留まっていた。しかし、城戸や昨日の準々決勝で17得点を記録し、今日の試合も城戸と並ぶ23得点と活躍した崎濱秀斗を中心に、堅守からオフェンスに繋ぐ鉄板のスタイルでリードを拡大した。「先生(井出口孝コーチ)が『相手もへばっている。出だしを強くしていこう』という話からやるべきことを明確にして戦うことができました。みんなが(自分のプレーに)ついてきてくれて感謝しかないです」

初戦の市立船橋戦では無得点も、仲間への思いを力に変える

全試合で先発を務めてチームの流れを作り出してきた城戸は、ここまでの4試合で13本中6本の3ポイントシュートを成功(46.2%、大会8位)させるなど、秀でた得点能力を持っている。しかし、福岡第一にとって初戦となった2回戦の市立船橋戦ではフィールドゴール8本をすべて外して無得点に終わっていた。

「初戦はすごく緊張してしまい、いつも朝から夜遅くまでシューティングのリバウンドしてくれたBチームの子たちに申し訳ない試合をしてしまいました。みんなの思いを背負っていることを改めて考えて、そこから自分のプレーをしようと切り替えて戦いました」。こうして仲間への思いを力に変えた城戸は、3回戦の美濃加茂戦ではゲームハイの23得点、続く帝京長岡との準々決勝では轟、崎濱に次ぐ13得点と徐々にシュートタッチを取り戻して、勝利に貢献した。

明日はインターハイでも対戦した開志国際と決勝を戦い、城戸にとって過去4度の優勝を成し遂げた偉大な先輩に並ぶチャンスとなる。「これまでの先輩たちに『絶対決勝まで行けよ』と言われてそれが実現してうれしいです。けど、明日の決勝を勝ってこそ先輩たちを超えられると思っているので気を抜きません。大事なところやみんなが苦しい場面でシュートを決めてチームを鼓舞できるように頑張ります」