AST/TOを求める計算式はアシスト÷ターンオーバー
この記事を開いてくれたすべての皆様、数字の沼へようこそ。自称『日本一スタッツをとる素人』である私しんたろうが、公式サイトのボックススコア(ベーシックスタッツ)から一歩踏み込んだ、『アドバンスドスタッツ』を紹介、解説していきたいと思う。
第5回は『Assist to Turnover Ratio(AST/TO)』を紹介しよう。このスタッツは、良いプレーメーカー(主にポイントガード)を見つけ出すためのスタッツと言える。現代バスケットにおいてはガードの選手がスコアラーになることが多く、アシスト志向型のポイントガードは減少傾向にあるが、試合の流れを変えるといった意味でも必要な選手であることは間違いない。
また、NBAで昨シーズンのMVPに選ばれたニコラ・ヨキッチ(ナゲッツ)やドマンタス・サボニス(キングス)に代表される『ポイントセンター』という言葉も一般的になりつつあり、ガードの枠にとらわれず得点を生み出す(アシストする)選手の必要性が高まっている。
理論上、手からボールが離れるほど、つまりパスを供給するほどにターンオーバーが発生する確率は高まる(しかもライブターンオーバーであることが多い)ため、この数値が高い選手はオープンの選手を見つけ出す能力に長けており優れたボールコントロール能力とバスケットIQを持つ選手であることがわかる。AST/TOを求める計算式はアシスト÷ターンオーバー。
第12節終了時点でのAssist to Turnover Ratio ランキング
平均出場時間 | アシスト | ターンオーバー | AST/TO | ||
⽥渡修⼈ | SG | 10:25 | 25 | 3 | 8.33 |
⼩林遥太 | PG | 21:23 | 56 | 9 | 6.22 |
中東泰⽃ | SG | 24:43 | 35 | 7 | 5 |
森井健太 | PG | 15:40 | 89 | 18 | 4.94 |
⻑⾕川技 | SF | 15:35 | 23 | 5 | 4.6 |
⼭内盛久 | PG | 13:54 | 48 | 11 | 4.36 |
三ツ井利也 | SF | 17:52 | 12 | 3 | 4 |
ジョン・ムーニー | C/PF | 30:45 | 47 | 12 | 3.92 |
合⽥怜 | PG/SG | 22:09 | 35 | 9 | 3.89 |
菅原暉 | PG | 18:24 | 56 | 15 | 3.73 |
⻘⽊保憲 | PG | 9:09 | 22 | 6 | 3.67 |
レイ・パークスジュニア | SG | 21:25 | 40 | 11 | 3.64 |
寒⽵隼⼈ | SF | 8:33 | 7 | 2 | 3.5 |
中⼭拓哉 | PG/SG | 24:03 | 82 | 24 | 3.42 |
根來新之助 | SF | 8:41 | 10 | 3 | 3.33 |
鈴⽊達也 | PG | 24:15 | 102 | 31 | 3.29 |
河村勇輝 | PG | 28:00 | 191 | 59 | 3.24 |
齋藤拓実 | PG | 25:03 | 160 | 51 | 3.14 |
辻直⼈ | SG | 25:14 | 59 | 19 | 3.11 |
久保⽥義章 | PG | 29:47 | 129 | 42 | 3.07 |
寺園脩⽃ | PG | 15:01 | 49 | 16 | 3.06 |
橋本⻯⾺ | PG | 25:47 | 79 | 26 | 3.04 |
アイザック・フォトゥ | PF | 28:41 | 37 | 13 | 2.85 |
多嶋朝⾶ | PG | 21:06 | 0:00 | 19 | 2.84 |
⻑⾕川暢 | PG | 16:47 | 36 | 13 | 2.77 |
柏⽊真介 | PG/SG | 8:41 | 11 | 4 | 2.75 |
安藤誓哉 | PG | 35:48 | 84 | 31 | 2.71 |
盛實海翔 | SG | 13:56 | 43 | 16 | 2.69 |
⻑野誠史 | PG | 24:07 | 70 | 27 | 2.59 |
マイケル・パーカー | PF | 32:09 | 31 | 12 | 2.58 |
SGやSFの選手はタイプにもよるがボールタッチの回数や時間が少ないことが予想される(ボールタッチが少ない≒ターンオーバーが少なく抑えられる)ため、プレータイムや試合数が多いPGに注目していくと小林遥太(仙台)、森井健太(横浜BC)、山内盛久(三遠)、菅原暉(群馬)がチームに一人は欲しい堅実なプレーメーカーと言えるだろう。そしてBリーグのポイントセンター候補(?)のジョン・ムーニー(千葉J)にも注目していきたい。
ちなみに、これらの数値が高いのか分かりづらいところもあると思うのでNBAのランキングもご紹介しよう。マイク・コンリー、クリス・ポール、ケンバ・ウォーカーといった錚々たる選手が4から5を超えている。4を超える選手がどれだけ稀有な存在かご理解頂けただろう。
チーム | 平均出場時間 | AST/TO | |
ケボン・ルーニー | ウォリアーズ | 23 | 8 |
モンテ・モリス | ウィザーズ | 28 | 5.7 |
タイ・ジェローム | ウォリアーズ | 14.7 | 5.2 |
コーリー・ジョセフ | ピストンズ | 15.6 | 5.06 |
マイク・コンリー | ジャズ | 29 | 4.88 |
ケンバ・ウォーカー | マーベリックス | 24.8 | 4.67 |
ジョーダン・マクラフリン | ティンバーウルブズ | 15.9 | 4.64 |
クリス・ポール | サンズ | 31.3 | 4.5 |
ケンリッチ・ウィリアムズ | サンダー | 21 | 4.25 |
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