スティーブ・カーは「シーズンに1回ぐらいはあるものだ」
ウォリアーズは12月7日のジャズ戦で、接戦ではありながら優位に進めていた試合を、土壇場で逆転されて敗れた。ステフィン・カリーとドレイモンド・グリーンが休養、アンドリュー・ウィギンズがケガで2試合連続の欠場となった試合で、最後に逆転を許した瞬間を除けば良い戦いができていた。ジョーダン・プールが36得点、クレイ・トンプソンが22得点でオフェンスを引っ張り、ジョナサン・クミンガが30分の出場で24得点、モーゼス・ムーディーも要所でビッグプレーを見せ、主力不在の状況で若い選手の奮闘が見られた。
それでも試合後のウォリアーズの面々は、すぐに気持ちを切り替えるのではなく、悔しい負けを『しっかり』悔しがった。
中でもクレイ・トンプソンは「振り返るのがつらい試合だ」と心底落ち込んでいた。残り8秒のディフェンスで、ドライブに行くニキール・アレクサンダー・ウォーカーに気を取られ、自分がマークするマリク・ビーズリーから目線を切ってしまった。ウォーカーがキックアウトしたボールは、ワイドオープンのビーズリーに。この3ポイントシュートで1点差に迫られ、最後はターンオーバーから逆転を許した。
クレイは「ハンドラーがリムにアタックするのをただ見ていた。僕は居眠りでもしてたのかもしれない。自分でも怖いぐらいの失態だよ」と振り返る。3ポイントシュートだけは許してはいけない状況で、ディフェンスの名手が犯した信じられないミスに、今にも泣きださんばかりの表情だった。
プールもシーズンハイの得点を挙げた喜びはどこにもなく、「最後さえ除けばファンタスティックな試合だった」とは言うが、その表情は憮然としていた。
指揮官スティーブ・カーは「あの瞬間までは選手は良く頑張っていたが、最後の13秒間を締めることができなかった。こういう試合はシーズンに1回ぐらいはあるものだ」と言い、選手を強くは責めなかったものの、このミスを繰り返さないことの大切さを語った。
クレイは言う。「映像を見て学ぶこと。そして良いオフを過ごすこと。やれることはそれしかない。それをしっかりやるだけさ」
自滅に等しい負けの悔しさと、自分たちのミスの大きさを噛み締めながら、彼らはソルトレイクシティを離れることになった。不運な一敗で片付けてもいい試合だが、彼らはそうは考えない。この姿勢がウォリアーズの強さを支えている。