吉井裕鷹のドライブで試合を優位に進めるも、ゲームクロージングに課題を残す
バスケ男子日本代表は14日、ワールドカップアジア地区予選Widow5のカザフスタン戦を81-61で勝利した。第1クォーターこそ一進一退の時間が続いたが、第2クォーターにドライブから得点を量産。調子を上げたオフェンスに連動するようにディフェンスも強度が増し、29-13とビッグクォーターを作り出した。後半に入っても攻撃の手を緩めず、20点差で快勝しWidow5を連勝で終えた。
チーム最長となる29分の出場でゲームハイの15得点を記録した吉井裕鷹は次のように試合を振り返った。「相手が波に乗りそうな時間に、ドライブで得点し流れを切ることができたのが良かったです。そこからトム(ホーバス)さんが言ったことをみんなが上手くプレーして、点数を取ることができたのが勝因でした」
吉井が話すように第1クォーターはチーム全体のシュートタッチが悪くリードを広げられない時間が続き、一時は逆転を許してしまう場面もあった。しかし、吉井自身も手応えを感じたと言う、ドライブを中心としたオフェンスが炸裂しビッグクォーターに繋げた。
後半には30点までリードを広げる快勝を収めたが、最終クォーターに連続失点を喫し、点差を縮められるなどゲームクロージングに課題を残した。第4クォーターにボールコントロールを任された河村勇輝は、「第3クォーターまで自分たちのバスケットができていましたが、最後のクォーターにチームでターンオーバーが増えてしまうなど、雑なプレーが出てしまいました。これは自分たちの課題として次の2月までに修正して、40分間戦い抜けるように頑張りたいです」と反省を口にした。
河村とテーブスのツーガードが躍動、富樫も7アシストを挙げポジション争いは加速
この試合では、先日のバーレーン戦と同じくベンチメンバーが躍動する姿を見せていた。特にポイントガードの河村は吉井に次ぐチーム2位の13得点をマークしただけではなく、4アシスト(チーム2位)、4スティール(チームトップ)を記録している。第2クォーターに大きく流れを変えた張本天傑の4点プレーも、河村のスティールから生まれた。
また同ポジションのテーブス海もドライブから得点するだけでなく、ビッグマンへ好アシストを連発するなど攻撃の主軸となった。河村とともに出場した時間には、河村のファストブレイクを演出し、ツーガードとして機能していた。テーブスとの共闘について河村は「一緒にやっていてすごく切磋琢磨できる選手だと思いますし、お互いが良い刺激を求めながら成長していければいいなと思っています」と、さらなる成長を実感している。
こうした若手ポイントガード陣の活躍について、先発ポイントガードの富樫勇樹は、「若い選手がベンチから出てきて、バーレーン戦に続いて勢いを与えてくれました。同じポジションに何人かいますが、僕も若い選手に負けずしっかりチームをリードできるように、これからも成長していきたいと思います」と話している。富樫も3ポイントシュートを3本沈めるだけでなく、アシストもゲームハイ(タイ)となる7本を記録し、若手ポイントガード陣に負けない活躍を見せている。
今回の連戦は、ポイントガードを筆頭に若手選手が着実に経験を積み重ねることができたWidowとなった。この後はそれぞれのチームへ戻り、今週から再開するリーグ戦に向けて準備を進める。国際大会で得た経験を持ち帰り、チームと自身のステップアップに繋げられるか注目したい。