フィジカルを生かした守備に加え、3ポイントシュートでもアピールなるか
シェーファー・アヴィ幸樹は、日本バスケ界の次代を担うビッグマンとして早くからフル代表入りを果たし、ワールドカップ2019や東京五輪といった大舞台を経験してきた。また、リーグ戦でも外国籍選手とのポジション争いで多くの日本人ビッグマンが出場機会の確保に苦しむ中で、1試合20分以上のプレータイムを得ている。
このように実績を積み重ねてきたシェーファーだけに、トム・ホーバスによる新体制の男子日本代表において中心選手の一人と期待する声は大きかったが、ホーバスの下では思うような出場機会を得られずに苦しんでいる。イージーシュートを外すなどミスも出ているが、そもそも中国との連戦となったワールドカップ予選Window1の初戦は11分出場したものの、翌日の2試合目、Window2のチャイニーズ・タイペイ戦、Window4のイラン戦と出場した3試合はすべて4分以下のプレータイムに終わっている。また、Window2、Window4ともに2試合目はメンバー登録から漏れるなど、今夏に一気に台頭した井上宗一郎、吉井裕鷹といった同世代の若手選手たちと比べて遅れをとっていることは明らかだ。
今回のWindow5に向けた直前合宿でのメンバー入りが発表された直後の試合後取材で、「最後のチャンスというくらいの気持ちで臨もうと思います」と語っていたように、シェーファーは自身が代表メンバー争いにおいて崖っぷちにいる認識だ。
だからこそ「もう練習からすべて100%でやることですね」と、自身のなすべきことを語る。「Bリーグで少しは結果を残せていると思いますが、代表ではトムさん体制になってから結果が出せていないです。なかなかチームにアジャストできず良いパフォーマンスを見せられないことで、ちょっと考えすぎたところもあります。今はとにかく全部を出し切ることを練習から意識してやっています」
Window5の初戦の相手、バーレンの中心選手である203cmの帰化選手、デボン・ドウェイン・チムズはWindow3とWindow4の4試合で平均14.8得点を挙げている。206cmと今回のメンバーでは一番のサイズを備えるシェーファーは、チムズを抑えるなどゴール下のディフェンスで存在感を示さないといけない。「アンダーサイズのフィジカルが強いビッグマンはすごくコンタクトを好んで、下からぶつかってきます。コンタクトでは受け身にならず、自分から行くことが大事になってくる。自分はサイズがそれなりにあるので、そこをしっかり生かして行きたいと思います」
また、オフェンス面では10月21日、22日に行われた川崎ブレイブサンダース戦で2試合続けて3ポイントシュートを3本以上成功させてチームの連勝に貢献しており、ホーバス体制で重要視される長距離砲でもしっかりアピールしたいところだ。
「やっぱりちゃんと日本の強みを出せれば勝てる相手だと思っているので、しっかりと2勝したいと思っています」。このようにWindow5に向けての意気込みを語るシェーファーだが、自身も3ポイントシュートやゴール下のディフェンスなどの持ち味を発揮し、指揮官の信頼を取り戻す実り多い遠征にしたいところだ。