NBA

年間26億ドルの放映権料は、2025年の更新で大幅増の見込み

NBAのアメリカ国内での放映権は『ESPN』と『TNT』が2024-25シーズンまで保有しているが、2025年からの放映権については水面下での交渉が始まっている。ここで従来の放送局に対し攻勢を強めているのがamazonだと『MarketWatch』は伝えている。

この大きな理由は、NFLで今シーズンからAmazon Prime Videoで配信開始となった『Thursday Night Football』が、予想を大きく上回る平均視聴者数1130万人を獲得していることだ。木曜ナイトゲームが独占配信となり、新規ファンを取り込んでの視聴者数増加だけでなく、視聴者の平均年齢がテレビ局に比べて8歳下がり、広告セールスの価値を大きく押し上げている。

日本では楽天が、中国ではTencentが、すでにNBAの試合をストリーミング配信している。ブラジルでは今シーズンからAmazon Prime Videoで週4試合の独占配信が始まり、この数値も注目される。Amazon Primeの会員数は世界で2億人を超え、NBAにとってはアメリカだけでなく世界でのファンを獲得する意味で魅力的なプラットフォームとなっている。

『ESPN』と『TNT』は2016-17シーズンから年間26億ドル(約3600億円)の放映権を支払っているが、次の契約で放映権料は2倍から3倍に跳ね上がるものと見られている。NBAの売上は2021-2022シーズンに初めて100億ドルを突破したが、放映権料の更新で収入は大幅に増える見込みだ。

また、人種差別的な発言、また従業員への不適切な発言と行為が判明したサンズのオーナー、ロバート・サーバーはクラブ売却に動いているが、新オーナーの有力候補の一人にはAmazonの共同創設者で会長のジェフ・ベゾスが挙がっている。

Amazonのような配信プラットフォームは、映画やドラマを配信するために巨額の契約金を支払い、また自社でオリジナル作品を作っているが、一度見たら終わりの映画やドラマと違い、スポーツリーグはシーズンを通じて視聴者の関心を集め続ける優良コンテンツだ。世界中にファンを抱え、アダム・シルバー現コミッショナーの下でテクノロジーの導入にも前向きなNBAの価値は、今後もっと上がっていくはずだ。