石井講祐

「もっとシュートファーストにいった方がいい」の意識で18得点をマーク

10月15日、サンロッカーズ渋谷は敵地に乗り込み、千葉ジェッツと対戦し90-87で激闘を制した。ともにゴール下への激しいアタックで得点を重ね、点の取り合いによる一進一退の攻防が続いたが、残り3分47秒に富樫勇樹がレイアップを決めて千葉Jが86-85と勝ち越した後は、互いのディフェンスを崩せずに膠着状態に。そして、この均衡を破ったのが石井講祐だった。残り46秒にこの試合3本目となる3ポイントシュートを沈めて逆転に成功すると、ここ一番のディフェンスで踏ん張り逃げ切った。

「お互いに同じようなスタイルで流れが行ったり来たりするゲームでしたが、その中でもディフェンスでリバウンド、ルーズボールを怠らずに、我慢して決めるべきシュートを決め切ったことが最後に勝ちへと繋がったと思っています」

こう勝因を語った石井は、3本すべての3ポイントシュート成功を含む、フィールドゴール12本中7本を成功させ18得点を記録。自身のハイパフォーマンスをこのように振り返った。

「開幕戦を終えて先週からもっとシュートファーストにいった方が良いと感じていたので、その流れで今週もまずはシュートという意識で入り、そのアタックマインドが良い形に繋がったのではないかと感じています」

石井講祐

「この1週間におけるチームの成長を感じられる試合だったと思います」

SR渋谷にとって船橋アリーナでの千葉J戦といえば、昨シーズンのレギュラーシーズン最終戦だ。勝てばチャンピオンシップ出場がかかる中、あと一歩で敗れシーズン終了となった苦い思い出となっている。当時と千葉Jは体制が一新されていることもあり、伊佐勉ヘッドコーチは「その話はしていないです」と明かしたが、石井には意識するところがあったという。そして、SR渋谷にとってはBリーグ誕生後、船橋アリーナでの初めての勝利ともなった。石井は言う。

「(千葉Jから)移籍して初めて船橋アリーナで勝つことができて、やっと恩返しではないですけど1つ達成感はあります。その中でも昨シーズン、ああいう悔しい負け方をこの場所でしました。この時のメンバーは今シーズンもほとんど残っていて、そういう話を特にしたわけではないですが、それぞれモチベーションになっていたとは思っています」

また、石井は試合内容についても大きな手応えを得ている。今シーズン初黒星となった前回の秋田ノーザンハピネッツ戦では、序盤から追いかける展開が続き、何度も点差を縮めたもののそこからあと一歩の追撃ができずに敗れた。今回も同じく出だしでリードを許したが、そこから追いつき、追い越して勝利しただけにその意義は大きい。

「先週の秋田戦で、10点差を5点差に縮めてもそこで離されてということが続いて敗れました。その反省を生かして逆転して勝ち切れたので、この1週間でチームの成長を感じられる試合だったと思います」

ようやく船橋アリーナで勝てたことはSR渋谷にとって明るい材料だ。そして、敵地で連勝できたならば、間違いなく大きく勢いに乗るだろう。そのためには今日と同じく自分たちのやるべき激しいプレーを続け、石井の勝負強さにも引き続き期待だ。