伊佐ヘッドコーチ「彼がいることでディフェンダーのプレータイムを増やせる」
サンロッカーズ渋谷は、ホーム開幕節となった第2節の秋田ノーザンハピネッツ戦を1勝1敗で終了。これで開幕3勝1敗と及第点のスタートを切っている。この4試合の戦いを見ると、今オフに加入した小島元基、津屋一球の新戦力2人が順当にローテーション入りし、昨シーズン後半戦に加入したケビン・ジョーンズもよりチームにフィットしているなど、昨シーズンからの上積みを感じられる。その中でも最も大きなプラス要素と言えば、大黒柱ライアン・ケリーの復帰だ。
31歳のケリーは、211cmのサイズに加え外角シュートを得意とするスコアラーで、2018-19シーズンに加入してから3シーズン連続で平均20得点以上を挙げるSR渋谷の得点源だ。しかし、昨シーズンは開幕戦で腰椎椎間板ヘルニアの重傷を負い、残りのシーズンを全休に。懸命のリハビリによって今シーズンは開幕から復帰を果たすと、4試合ともそつなくプレーし順調な回復ぶりを見せている。
約1年のブランクがあり、当然のようにコンディションはまだ完璧ではない。いつもの彼に比べればシュート本数も少ないなどまだ本領発揮には至っていないが、それでもSR渋谷の伊佐勉ヘッドコーチは、ケリーの存在は大きく数字に出ない効果もあると評する。「周りに対する影響力があり、ボールハンドラーをこなせます。彼がいることでディフェンダーとして出ている選手のプレータイムを増やせるのでチーム力がすごく上がると思います」
秋田との初戦終了後の会見で、待望のホーム帰還にケリーは頬を緩めた。「1年ぶりにファンの前でプレーできてとても楽しいです。故障で長らく試合から遠ざかっていました。僕はバスケットボールをプレーするのが好きですし、何よりもこの場所でプレーすることが好きです。だから今は素晴らしい気分です。フィジカルについて状態は良いですし、どんどん良くなってきています。それに常に自分のプレーには自信を持っています」
「このチームの可能性は無限大だと思っています」
そして、復帰までの長く辛いリハビリを乗り越えることができたのは周囲の支えがあったからこそと強調する。「復帰まではとても長い道のりでした。チームスタッフ、チームメートとみんなのサポートに感謝しています。もちろんタフな時期はありましたが、家族が助けてくれました。特に妻と子供たちは僕を笑顔にさせてくれ、リハビリにおいて大きかったです」
ケリーといえば、特に得点面の印象が強いが、本人は「個人的には常に正しいプレーをして、チームの勝利に貢献したいと思っています」と自身の役割ついて語る。「時にはそれが得点ですし、パスやリバウンド、ディフェンスの時もあります。これをシーズンを通してやっていきたいです」
昨シーズンからの中心選手が揃って残留した上での自身の復帰に加え、小島や津屋といった即戦力の加入もあり、ケリーは今シーズンのSR渋谷に大きな手応えを感じている。「このチームの可能性は無限大だと思っています。僕たちには素晴らしいタレントが揃っていると信じています。あとは自分たちが望む場所にどれだけチーム力を高めていけるかです」
明日からの第3節、SR渋谷は敵地に乗り込んで千葉ジェッツと対戦する。昨シーズン最終戦、SR渋谷は千葉Jとのアウェーゲームに勝てばチャンピオンシップに出場できたが、71-73で敗れシーズン終了となった。千葉Jは当時と大きく体制が変わっているとはいえ、苦い思いを味わった敵地で勝ち切ることができれば大きな弾みがつく。そのためには、昨シーズン不在だったケリーの活躍が重要な要素となる。
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