栃木ブレックス

文=丸山素行 写真=B.LEAGUE

リベンジに燃える栃木、第1クォーターを30-6と圧倒

栃木ブレックスvs滋賀レイクスターズのゲーム2。昨日の第1戦では、延長の末に3点差の惜敗となった栃木だが、その雪辱を果たすべく出だしから奮起。チームスタイルの根幹となる激しいディフェンスとチームオフェンスが噛み合い、前半で30点差をつけ快勝を収めた。

栃木は出だしから強度の高いディフェンスを披露。パスの出しどころをなくし、ディオール・フィッシャーからトラベリングを誘発するなど、滋賀オフェンスをシャットアウトする。オフェンスではボールと人が連動し、リズム良くシュートを決めていく。鵤誠司が7得点でチームに勢いをもたらすと、ジェフ・ギブスのゴール下が決まり、開始5分で17-6と点差を2桁に乗せた。

勢いが止まらない栃木は、誰が出てもディフェンスの強度が落ちず、第1クォーターのラスト約7分間を無失点で切り抜けた。さらにはギブスがコートにダイブし山崎稜が速攻に繋げるなど、トランジションも機能。7人が得点を挙げるバランスの良いオフェンスを展開し、30-6とビッグクォーターを作り出した。

第2クォーターに入り、開始直後にギブスが負傷交代するアクシデントに見舞われたが、竹内公輔が7得点7リバウンド1ブロックと活躍してチーム力が落ちない。

ここで立て直しつつある滋賀に対し、リードを広げられない時間が続いた。すると残り5分14秒、26点リードの場面で栃木はタイムアウトを要請した。プレーが途切れれば、オフィシャルタイムアウトを迎える場面だったが、指揮官の安齋竜三は「気の緩みというのは、その瞬間に摘まなきゃいけない」と、意図を明かした。

こうして気合を注入された栃木は、田原隆徳が3ポイントシュートを沈め、橋本晃佑も続いてリードを広げていく。ガニ・ラワルとフィッシャーのツインタワーに得点を許すも、オフェンスの起点となったライアン・ロシターがこのクォーターだけで6アシストを記録したように、球離れが良くチームオフェンスを完遂した栃木が上回り、55-23と前半で試合の趨勢を決めた。

栃木ブレックス

デニスコーチ「冬眠中の熊を起こしてしまった」

後半に入ると、負傷交代したギブスがコートに戻った。そのギブスが3スティールを記録し、8秒バイオレーションを誘発するなど、ディフェンス力が向上した。第3クォーター残り2分39秒には、ここまでアシスト役に回り栃木のバランスの良いオフェンスを生み出していたロシターが、この日10得点目となるフリースローを沈め、11リバウンド10アシストと合わせてトリプル・ダブルを早くも達成。その後もゲームをコントロールした栃木が98-61の完勝を収めた。

栃木の安齋コーチは「ディフェンスの激しさをどこまでやれるか、それが試合の出だしからできた」とディフェンスを勝因に挙げた。それでも「チャンピオンシップを見据えるのであればもう一段階、一人ひとりがディフェンスにプライドを持って試合を続けていかないといけない」と話し、完勝にも安堵の表情を浮かべることはなかった。

一方、敗れたショーン・デニスヘッドコーチは「昨日の試合で我々が勝ったことで、冬眠中の熊を起こしてしまった」と完敗を認めた。また「今日の試合はチャンピオンシップに行くようなチームが、勝ち続けるためには何が必要なのか、それを示すような試合内容になったと思います。栃木さんの戦いぶりは称賛に値する」と敵将を称えた。

今日の勝利で栃木は勝ち星を2桁に乗せ、次節は同じ10勝2敗同士、数々の熱戦を繰り広げてきた千葉ジェッツをホームに迎える。東地区首位同士の直接対決となり、これを制したほうが前半戦の勢いを加速させるはずだ。